2016年NHK大河ドラマ「真田丸」の時代考証を務めていた黒田基樹教授が、『お市の方の生涯』（朝日新書、朝日新聞出版、2023年1月）を上梓されました。黒田教授から、ご著書についてのメッセージです。

お市の方は、織田信長の妹として、また「天下一の美人」と称された「戦国一の美女」として知られている人物になる。戦国時代の、信長や豊臣秀吉を扱ったドラマでは、必ずといっていいほど登場してくる、戦国時代の女性のなかでも一、二をあらそう著名な人物となっている。
ところがお市の方に関する史料は少なく、その実像はほとんど判明していない。本書はそのお市の方について、当時もしくは近い時期に成立した史料、さらに江戸時代前期に成立した信頼性の高い史料をもとに、初めてその生涯を追究した書籍になる。
お市の方は当時から「美人」と認識されていた。その一方で、「気持ちは男子に劣っていない」と発言するなど、強い信念を持っていた。お市の方とはどのような人物であったのか、その実像に迫っています。