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学部・研究科レポート
法学部の授業紹介'20(8)地方政治論― 千草孝雄教授
「法学部の授業紹介'20」として、法学部の教員が自ら担当する講義やゼミを紹介します。8回目は「地方政治論」の紹介です。ただし、今年度は春学期にオンライン授業をおこないますので、多少は内容や方法が変わる場合があります。昨年度までの内容をもとに紹介します。
地方政治論というタイトルになっているが、講義の内容は日本の地方制度の仕組みの説明である。
地方制度の仕組みがわかっていないと、地方政治も展開されないし住民が参加することもできない。地方自治体は、住民に身近な政府であるとか、民主主義の学校とかいわれるが、日本の場合、市民や住民が地方自治体の仕組みに関して詳しくしっているということは少ない。
何か問題がマスコミにとりあげられると、そういう制度があるのかと思う程度である。でも、地域に問題がおこると大変なことになる場合が多い。例えば、産業廃棄物の処理施設ができます、ごみの処理場ができます、火葬場ができますというような問題がおこると、一転して大きな問題になることが多いのである。市長村長や地方議員はもちろんのこと、学識経験者やマスコミをまきこんだ大きな問題へと発展するのである。そこではじめて日本の地方自治の仕組みはどうなっているのだということが問題になるというのがよくあるパターンなのである。
そこで、日本の地方制度や地方自治の仕組みを基礎から知ってもらおうというのが、この講義のめざすところである。
日本の地方自治が本格的に機能し始めたのは、第2次世界大戦後のことである。それほど古い話ではない。それでも戦後それなりの歴史を積み重ねてきているので、いろいろな話題がそれなりにある。その中にはもう解決してしまって、現代的な意味は少なくなっているものも多い。そこで、そういうものは除き、第2次世界大戦後の歴史をたどりながら、その中で、現在の日本の地方自治の基本的な仕組みを理解してもらおうというのがこの講義の趣旨である。