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大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(6) 

2016/02/29その他

法学部教授 黒田基樹

 2月28日(日)に放送された第8話では、真田昌幸が上杉氏から離叛して北条氏に従属したところが扱われていました。時期でいうと天正10年(1582)6月下旬から7月下旬までのわずか1ヶ月のことになります。

 実のところ昌幸については、6月下旬には上杉氏に従属していましたが、7月9日までに信濃への進軍を図っていた北条氏に従属したこと、その後、北条氏が信濃に進軍してきて上杉氏との対決のために海津城に向けて進軍した際に、上杉氏に属していた昌幸の弟加津野昌春(真田信尹)が牧島城に在城していて、それを北条方に引き取ろうとしていたこと、くらいがわかっているにすぎないんですね。

 今回の話の中心になっていた、上杉方であった春日信達が北条氏に内通し、上杉氏から誅罰されたこと、その調略が昌幸によるものであったことは、江戸時代成立の史料にみえるにすぎず、いまだ当時の史料では確認されていませんが、およそは事実であろうと考えられています。ドラマはそれに基づいて話しが組み立てられています。

 なお昌幸の弟は、ドラマでは「真田信尹」と出てきていますが、この時期は正しくは「加津野昌春」といっていました。「真田信尹」と名前を変えるのは、かなり後年のことになります。当時、名前が変わることはよくあることなのですが、有名な人物以外の場合、史実通りに名前を変えていると視聴者が混乱しかねないので、最も著名な名前で統一しているのです。徳川家康の重臣・石川数正も、実はこの時期は「石川康輝」と名乗っていました。ドラマならではの工夫といったところでしょうか。

 さて夕方、先週催されたイベント「大河ドラマ『真田丸』コンサート」が番組として放送されましたが、御覧いただけましたか。このようなイベントへの出演は初めてでしたが、ゲストの長澤まさみさん(「きり」役)とたくさんお話しできて、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

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 イベント終了後、長澤さんと記念撮影してもらいました。長澤さん、とても素敵な方でした。

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