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大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(20)

2016/06/13その他

法学部教授 黒田基樹

 6月12日(日)に放送された第23回では、いよいよ戦国最後の合戦となる小田原合戦に突入し、最大の戦国大名であった小田原北条氏の滅亡への過程が取り上げられていました。ここで茶々(淀殿)と信繁が、北条氏滅亡に立ち会い、何らかの感慨を抱いているわけですが、これはおそらく、「真田丸」のクライマックスとなる大坂の陣への伏線でしょうね。豊臣家ですら滅びるのだ、というね。

 ドラマの終盤で、信繁が開城交渉のために小田原城に入っていきます。もちろん信繁にそのような史実はありませんが、徳川家康・織田信雄が家臣を城内に入れて、北条氏直と交渉していたことは史実です。ドラマではこれを信繁に演じさせているわけです。

 また信繁が背中に指していたものは、「母衣(ほろ)指物(さしもの)」という武具の一種です。秀吉は、馬廻衆のなかから黄色い母衣を指すものを選抜していて、これを「黄母衣衆」と呼んでいました。いわば馬廻衆のなかのエリートにあたり、ドラマにみられたように使番(戦場での連絡係)を勤めていました。

 実際のところ、信繁はそのような立場にはなかったと考えられますが、信繁を活躍させなくてはならないので、どうせなら、ということで「黄母衣衆」にしているわけです。この姿をみて不思議がった方もいるかもしれませんが、こうした恰好をしている人が実際にあったんですね。

 さてドラマで出てきた北条氏直の陣羽織、もちろんこれは創作ですが、とても格好いいので、ちょっと欲しいなと思いました。何とか販売されないでしょうかね。

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