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心理学部教員インタビュー(4):安藤 聡一朗 准教授

2019/10/25教員情報

 本企画「教員インタビュー」では、本学心理学研究科に所属する大学院生の有志がインタビュアーを務め、心理学部各教員からのメッセージをお届けします。授業中に見せる『教員の顔』とはまた別の、各教員の「研究者の顔」「一個人としての顔」を紹介していきます。


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<現在の研究テーマ、専門分野を教えてください>
 もともとはアイデンティティが確立されていない大学生の不登校や進路不決断が大きなテーマでした。今は、就職したけれども早期離職してしまう人の分類と支援を研究しています。3年以内に離職するとよくないとされているが、一口に早期離職といっても、キャリアアップのための転職をするような、質がちがう人が混ざっている。そこをいかにきりわけ、適した支援につなげていくかを、事例研究や、量的・質的データを組み合わせて研究しています。

<これまでにわかってきたことは?>
 総じて言えることは、「人のために」と動ける人は、困難から抜け出しやすいということ。それと、自分の過去の意味付けをどう変えていくかが大事ということです。例えば不登校なら、学歴の波から落ちてしまったとか、こんな自分はダメだと考えていた人が、本を読むことで救われたから自分も本を書いて役に立ちたいと思えるか。その転換ができる人は、アイデンティティ形成に向けて歩んで行けるなというのは、過去の研究でつかんだところです。その人のナラティブを、こちらが転換させるわけではなく、その意味づけを本人がしていくのに寄り添っていく支援が大切です。

<現在の専門分野を目指した理由、きっかけは何ですか?>
 進路不決断に関心をもったのは、自分自身が辿ってきた道が大きく影響しています。僕自身、進路や就職のことで悩んだ時期があり、その都度そこから抜け出るための紆余曲折を経験してきました。卒業論文でスチューデントアパシーについて書いたのですが、自分が一度経験して消化し終わって学んだことから、それまでにあった研究に加えられるなと思えることがあって、取り組みました。その後の研究の展開も、自分が通ってきた道と重なっている部分があります。一ついえるのは、論文にできたということは、渦中の問題ではなくて、そこから抜けられる道が見えるようになった、全体を俯瞰できるようになったということだと思います。これは臨床にも似たところがあると思うのですが、自分が渦中にいる問題だと、泥沼にはまってしまう。でも、抜け出ると財産になるなと思います。

<どんな大学生活を過ごしていましたか?>
 最初に入ったのは東京大学の文化Ⅲ類というところです。希望の専攻に入れるように努めていたのですが、途中からアパシー状態に陥りました。その後、その状態からは抜け出したわけですが、そこで僕に力をくれたのがある宗教との出会いです。どんな逆境にも負けず、人を救おうと生涯貫いたある宗教家の姿が美しく、憧れました。憧れの人に近づきたいという思いを持ちながら、日々のくらしの中での些細なこと、例えば人にやさしくするとかを一つ一つを積み上げていったところ、自然と「人のために生きたい」という思いが自分に備わってきたのに気づきました。あれだけ後ろ向きだった僕が前向きになれたこと、そこに不思議な力を感じました。そこが自分の大きな転換点だったのじゃないかと思います。
 大学院に行ってからの話ですが、僕は、博士論文を書くのにすごく時間がかかりました。資格を取るために、まずは働かなくてはならなかったので、そこで仕事モードから研究モードへの切り替えが難しかったです。今でこそ、教えて、臨床もやって、研究もやってと、多少はいろんな仕事をできるようになりましたが、でも、それが苦手でした。それができるようになるまですごく時間がかかって、何年間か棒に振ったように思います。アドバイスではないけれど、博士を目指す人は、仕事を後回しにした方がいいと思います。勢いは大切だったなと。


<高校生へのメッセージをお願いします>
 自分が心理学をめざそうと思った、原点を大切にしてほしいということです。それを何度も思い返すこと、それが力になると思います。憧れの人がいればいいと思うんですが、たとえばスクールカウンセラーに中学の頃お世話になって、この人のようになりたいというのは、すごく力になると思うので、そこは思い出してほしいということ。もう一つは、大学生はやっぱり本分は勉強だと思うのです。いろんなこと、恋愛、楽しい事、サークルとかバイトとか、いろんなことをやる機会があるかと思いますが、勉強をちゃんとやると心が安定するので、そこはやってもらえたらと思います。

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◆教員プロフィールを詳しく知りたい方はこちらへ↓
教員情報
https://faculty.surugadai.ac.jp/sudhp/KgApp?kyoinId=ymdegegyggy



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