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学部・研究科レポート

2021.03.08

Terve!―ヒライ先生のフィンランド通信―その6

スポーツ科学部/現代文化学部 教授 平井純子

(6)フィンランドの男女平等

 フィンランドの首相はサンナ・マリン、1985年生まれの35歳の女性です。日本で菅内閣が誕生した際、SNSで若い女性が多いフィンランドの内閣と日本のそれを比較する画像が話題となっていたことは、皆さんの記憶に新しいと思います。世界的にみると、190か国中フィンランドの女性議員の割合は46%で世界7位、一方の日本は14.4%で153位となっています。2020年の男女平等ランキングで、日本は153か国中121位(内閣府男女共同参画局による)...一方のフィンランドは3位となっています。
 フィンランドと日本では何が違うのでしょうか?
例えばその働き方。フィンランドでは、16時にはきっかり仕事を終え帰宅します。残業するのは能力が低いからとみられることも。小さな子どもがいる家庭では積極的に在宅勤務。男女関係なく、家事は分担します。男性がベビーカーを押して歩いていることは普通の光景です。仕事をしている親が子どもを預ける際の待機児童の問題は皆無です。就業率を見ても男女の差は2020年段階で1.5%となっており、ほとんど差がありません。
 日本の場合、女性は「学校を出たら就職して結婚して子育てして」のような考え方がいまだにあるような...。しかし、フィンランドでは、そのような既定路線はありません。男女を問わず、高校を卒業したら一度就職して、それから大学へ行って...といったのもありですし、50歳を超えてから大学へ行くのも珍しくありません。そして、教育は大学までずっと無料。いくつになっても、です。教育や福祉の充実も女性の社会進出が進む要因の一つです。
 男女平等の実現は、各分野の機運が高まっていかねばなりません。そして社会の人々がしっかりと受け入れ、いろいろな要素が作用しあってはじめて実現していくのだと思います。日本は男女平等後進国です。フィンランドなどの北欧諸国のような先進国を見習い、個々人が意識をもって歩を進めていかなければ、環境問題分野だけでなくここでも「化石賞」を得てしまうことになるでしょう。

20210308_sports01.jpgVisit Oulu、Business Ouluのスタッフの皆さんと筆者

20210308_sports02.jpg学校の説明をする女性の校長先生(カラヨキにて)

20210308_sports03.jpg農家に掲げられていた看板

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