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学部・研究科レポート
Terve!―平井先生のフィンランド通信―その4
スポーツ科学部/現代文化学部 教授 平井純子
(4)フィンランドのデザイン
12月21日は冬至。日本ではゆず湯に入ったり、カボチャを食したりといったことをしますね。この日、私の住んでいる北緯65度のオウルでは太陽が出ている時間が3時間半ほどになります。さらに北へ行くと日照時間がなくなる「極夜」となります。国土がすべて北緯60度以上に位置するフィンランドでは、この時期を「カーモスKaamos」と呼びます。とはいえ、完全に真っ暗になるわけではなく、昼間の数時間はうっすらと明るくなります。またすぐに暗くなりますが...
12月、昼の2時ごろ(オウル)
そんな暗くて寒くて長い時間を楽しませてくれるのが、カラフルでおしゃれなフィンランドの雑貨や家具、ファブリックたち。マリメッコ(Marimekko)やイッタラ(iittala)、フィンレイソン(Finlayson)、アラビア(Arabia)などのフィンランドブランドは、よく知られています。飯能にあるメッツァでも取り扱っていますね。フィンランドデザインに共通するのは自然をモチーフにしたものが多くあること。木だったり、花だったり、動物だったり、雪だったり。そういうものがデザイン化され、普段の生活の中に溶け込んでいます。これらは、フィンランド人が普段目にしているモノからインスピレーションを得ています。フィンランドの人々はアウトドア好きで釣りやカヌー、スキー、スケートはもちろん、焚火も大好きですので、日常的に身近にある森や湖などの自然に触れる機会が多くあります。壮大で豊かで美しいフィンランドの自然の中に、デザインのエッセンスを見出すことは当然のことなのかもしれません。これらのデザインたちが冬の暗い長い時間を明るいものにしてくれます。
オウル大学の会議室
花柄のカーテンのある家
リンゴンベリー(コケモモ)とトナカイゴケ
渡りの途中のハクチョウ