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学部・研究科レポート

2020.03.04

ミミズ研究三昧の日々〜国内研修報告(伊藤雅道教授)

 2019年4月〜9月の約半年間国内研修の機会をいただき、大分大学理工学部にて研究活動を行いました。今回はその概要を報告します。

 研究テーマは「西南日本地域における陸生大型ミミズ類フトミミズ科の新種探索および分布様式の解明」です。同地域はミミズ類の種多様性が高いことが予想されながら、これまでほとんど本格的な分類研究がなされていないミミズ分類研究の大きな空白地帯です。今回の研究により、多くの未記載種の発見・記載を目指しました。
 大分大学では大変厚遇していただき、研究室一室を自由に使って、ミミズ標本の仕分けや新種候補の抽出、スケッチ〜写真撮影、形態計測から論文の作成まで研究三昧の日々を過ごすことができました。これほど研究に打ち込んだのは大学院生の時以来だったかもしれません。
 野外調査にも何度か出かけました。大分市近郊はもとより、ミミズ研究談話会が主催する与那国島のミミズ調査に参加し、未記載種と思われる日本最大級の巨大ミミズを採集したこと、鹿児島県大隅半島の神秘的な照葉樹林で採集調査を行ったこと、高知県足摺岬近くの天然林での合同調査に参加し、梅雨末期の大雨の中で貴重なミミズ標本を採集したことなどが忘れられません。
 成果としては亜熱帯〜暖温帯地域に分布を広げている外来種フィリピンミミズの再記載論文を出版することができました(Ito et al., 2019)。また、足摺岬、大隅半島、それにこれまで取り組んできた神奈川県の山岳地帯の標本から10種以上の新種候補を抽出し、記載準備を進めることができました。
 鉄道オタク、火山オタクでもある私にとって九州はまさに天国、休日には九州内のローカル鉄道に乗ったり、阿蘇、九重、由布岳などの火山地帯を登山したりとこちらも充実した体験ができました。最後に現地で受け入れていただいた大分大学理工学部の永野昌博准教授に厚く御礼申し上げます。

学会発表
伊藤雅道・田村淳, 神奈川県の森林地帯3地域の大型陸生貧毛類相と未記載種(予報). 日本土壌動物学会第42回大会, 沖縄国際大学, 2019.5.18.

研究論文
Ito, M.T., Satoh S., Hasegawa M., Kawakami, K. & Minamiya, Y., 2019. A new record of the exotic earthworm species Pithemera bicincta (Perrier, 1875) (Annelida: Clitellata: Megascolecidae) from Japan. Biogeography, 21: 12-16.

伊藤 雅道(経済経営学部教授)

20200304keizai01.jpg(左)大分大学は里山的自然の中にあり、本学の環境とよく似ています(2019.4.1撮影)(右)一部屋使わせていただいて研究に没頭することができました(2019.4.8撮影)

20200304keizai02.jpg(左)沖縄県与那国島では日本最大級の巨大ミミズを採集しました(2019.5.21撮影)(右)高知県足摺岬近くの国有林では梅雨末期の大雨の中の調査となりましたが、貴重なミミズ標本を採集することができました(2019.6.30撮影)



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