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学部・研究科レポート

2020.05.30

駿大経済30周年(その7)~「幸福のデザイン学」を求めて(後半)

 経済経営学部の前身である経済学部が駿河台大学の第2の学部として開設されたのは1990年(平成2年)のことでした。それからちょうど30年がたちました。その節目を記念して、最初期の経済学部を知る卒業生・教員の皆さんが当時の思い出を語る新連載を企画しました。開設当初の駿大経済の様子を懐かしく、あるいは新鮮な思いで垣間見ていただければと思います。

 連載第7回目は、第6回目に引き続き、1990年(平成2年)4月から2016年(平成28年)3月まで26年間、経済学部に勤務していらした鎗田英三名誉教授にご登場いただきます。

「幸福のデザイン学」を求めて(後半)

駿河台大学名誉教授 鎗田やりた英三

 現実のなかで、現実を学ぶー地域社会の中心となる人材の育成
 現実が抱えている問題を考えていくには、教室の講義で、知識や理論を学ぶだけで十分でしょうか。どうしても、実際の現実の中で、現実を意識して見る・知る・学ぶことが必要になります。たしかに、私たちは日々現実世界の中で暮らしているのですが、自覚して周りを見渡さなければ、何か問題があるかにも気づかずに過ごしていくことが多いからです。とくに私たちは、国際人の養成よりも、地域社会の中核を形成する人材の育成を教育目標として重視しました。グローバル化に対しても、地域社会から発信する「グローバリゼーション」を目指しています。

 「まちが教室、市民が先生」―アウト・キャンパス・スタディ
 それゆえ、地域社会の「現実」を体験し、学ぶことが重要となってきます。また、地域社会で活躍するための社会性、職業観、コミュニケーション能力を身に着けるためにも、それが不可欠です。
 そこで、「まちを教室。市民が先生」と、地域社会でいろいろ体験し、学んでいくアウト・キャンパス・スタディに取り組み始めたのです。そのことによって、大学での授業にも問題意識を持って臨む効果が生まれてきました。その活動が、学生はもちろん、文部科学省はじめ他の大学、地域社会から高く評価されていることは、すでに述べたとおりです。
 現在も、「いるぷろ」は「まちプロ」として継承・発展し、アウト・キャンパス・スタディは、「地域インターンシップ」、「輝け飯能!プランニング・コンテスト」など、多岐にわたって充実・展開されています。

 たえず変革していく大学へ=「経済経営学部」へ
 この三十年、社会は大きく激動しています。大学も、そのような時代の変化を読み解き、時代と共に生きていく必要があります。そこで私たちは、変動する地域社会をリードするには、経済学と経営学の両方を学び、幅広い視野と考える力を備えたゼネラリストが求められていると、他大学に先んじ「経済学部」を「経済経営学部」に改組したのです。

 四半世紀の「共育」を終えて
 振り返ってみると、学生と一緒に「新しい大学教育」を求めて格闘しながら、二十五年が過ぎていった感じがします。この年月のなかで得た充実感は、まさに、「きょーいく」とは、「教育」ではなく、「共育」なのだと教えてくれました。それは、けっして前任の伝統ある国立大学では体験できなかったことでしょう。
 退職後、北海道をはじめ全国から多くの卒業生が集まって、退職祝いの「大鎗田会」を催してくれました。そのときの模様を、卒業生が作成してくれたミニアルバムで見るたびに、卒業生たちは私の大きな財産であり、この四半世紀が私の人生で最も充実した時期であったと、あらためて実感しています。

20200529keizaikeiei_01.jpg「大鎗田会」での集合写真



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