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学部・研究科レポート
2018.08.29
法学部の授業紹介'18(3)刑法各論―長谷川裕寿 教授
犯罪と刑罰についてしっかりと学ぶ
法学部教授 長谷川裕寿
今回は刑法各論という授業について紹介します。
他の法律の授業に比べれば、刑法は、比較的イメージがわきやすいようです。太郎さんが次郎さんを殺害して...。何ともぶっそうな事案ですが、こうした事案を、刑法という法律に照らし合わせて、刑罰を科すことができるかを決めていくわけです。
ここで注目してほしいのは、「刑法という法律に照らし合わせて」という部分です。これをいうためには、照らし合わせる「刑法という法律」が、しっかりと、つまり一義的に定まっている必要があります。この確定作業を「解釈」といいますが、条文を見て、その条文の意味を確定していく作業の場、それが刑法各論の授業なのです。
皆さんご存知の通り、刑法は刑罰を科す法です。財産を奪い(罰金等)、自由を奪い(懲役等)、さらには生命まで奪います(死刑)。そう、間違えば、人権侵害を引き起こしかねない法なのです。人の人生を大きく左右する以上は、条文の意味を確定し、どんな行為が処罰されるのかを明らかにしておく必要があるのです。
刑法の勉強は、究極的には、人権感覚を磨くことにあるのだと思います。