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心理専門職公務員について-心理学部長に聞く-(第2回)

2017/09/11その他

 何回かに分けて、公務員の心理専門職のことについて、人事院任用局(現在の人材局)試験専門官や人事院試験専門委員などを歴任し、公務員の心理専門職のことに詳しい川邉心理学部長(2018年度より心理学研究科長)にインタビューしました。

20170905sinri_01.jpgしゅんた:心理職公務員採用試験の内容はどうなっていますか?

川邉:試験によって違いますが、一定数以上の受験者がいる試験、つまり一般的な試験では、一次試験で基礎能力試験とか一般教養試験といわれている多肢選択試験と心理学に関する多肢選択試験をやり、二次試験で専門の記述式試験と面接というパターンが多いと思います。国家公務員、裁判所職員、都などはこのパターンです。

しゅんた:一般教養試験は、ほかの一般職の公務員と同じ内容ですか?

川邉:そうです。同じです。ですから、本学の公務員講座でしっかり勉強すれば合格ラインまでいきます。

しゅんた:専門試験はどんな問題が出るのですか?

川邉:採用職種が限定されていれば、採用職種に必要な専門知識について聞くことになりますが、国家公務員総合職のように採用先が色々ある場合には、心理学全般にわたって聞くことになります。本学からもほぼ毎年合格者が出ている法務省専門職員採用試験でも同じで、心理学全般に関する問題が出ます。つまり、統計法、研究法、生理、知覚・認知、発達、パーソナリティ、社会、臨床、教育などの問題がまんべんなく出ます。

しゅんた:大変ですね。どうやって勉強すればいいのですか?

川邉:試験に出るのは、最新の研究結果や特殊な理論ではありません。心理学の常識的知識や誰もが重要だと考えているような知識を問います。ですから、心理学概説I・IIで使っているような一般的な教科書をしっかり読みこめば、合格ラインに届くと思います。とはいえ、教科書によっては特定の領域に強い・弱いということがありますから、2冊くらい読むことが必要だと思います。分からないことを調べたり、より正確な知識を身につけるためには、心理学辞典も手元においておく方が良いです。
問題集が売っていますから、それを使うのもいいですが、ただ問題をやって答えを覚えるというのはあまりお勧めではありません。誤答の選択肢のどこが間違えているのか、設問の趣旨は何かというようなことを考えながらやることが大事です。

しゅんた:何点取れれば合格ですか?

川邉:それは合格者数と受験者数によって決まります。資格試験では、〇点以上が合格というかたちになりますが、採用試験では〇人以内合格というかたちになります。もし、平均点が50点で、倍率2倍で得点が正規分布しているとすると、平均点以上をとった人が合格となる計算になります。

しゅんた:では、必ずしも満点をとる必要はないですね。

川邉:そうです。例えば5肢択一の問題の場合は、あてずっぽうでも20%の確率で正解できます。その意味では確実に50%正答できれば、結果として得点は60%くらいになることになります。

しゅんた:僕は統計が苦手だから、統計を捨てるという戦略もありますね。

川邉:理屈からいえば、そうですが、実は統計は勉強すれば最も確実に点数をとれる問題なのです。ですから統計を捨てるというのは得策でありません。細かい計算式までは覚えなくていいですから、統計の考え方や尺度の性質をしっかり覚えてください。今私が言ったような考え方、つまり、どういう条件なら何点で合格するかとか、確率的には何点取れることになるかといった考え方ができるようになることが大事です。

しゅんた:なるほど。それで、勉強はいつから始めたらいいですか?

川邉:早い方が良いに決まっています。国家公務員総合職や裁判所職員採用試験は4年生の5月初旬にあり、法務省専門職員採用試験は6月初旬にあります。ですから4年になってから勉強するのでは間に合いません。遅くても3年生の秋には試験勉強を始めることを勧めます。もちろん、その手前の段階で、日ごろからしっかり授業を聞いて、予習復習をすることはもっと大事です。本格的に試験勉強を始めたときの、勉強の進み方が全く違ってきます。

しゅんた:ありがとうございました。次回は、心理職公務員の仕事内容について教えてください。



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