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学部・研究科レポート

2017.09.05

心理専門職公務員について-心理学部長に聞く-(第1回)

 何回かに分けて、公務員の心理専門職のことについて、人事院任用局(現在の人材局)試験専門官や人事院試験専門委員などを歴任し、公務員の心理専門職のことに詳しい川邉心理学部長(2018年度より心理学研究科長)にインタビューしました。

20170905sinri_01.jpgしゅんた:学部長よろしくお願いします。早速ですが、公務員というと、市役所などの窓口で事務をしている人とか、警察官のように制服を着ている人をイメージしがちなのですが、公務員の中にも心理専門職はあるのですね。

川邉:もちろんです。公務の中にも案外多く心理職の活躍の場があります。駿河台大学心理学部では、古曵先生と私が元国家公務員ですし、高岸先生も元県立病院職員です。また、国立大学での教員歴のある先生も文部教官という公務員であったことになります。

しゅんた:そのほかの公務員の心理職にはどういうものがありますか?

川邉:色々あります。必ずしも心理職という職名で働いているわけではありませんが、心理職やそれに似た採用区分で採用される職種としては、公立の病院の心理士のほか、公立の学校や教育相談センターの相談員、児童相談所心理判定員、子ども家庭センターの相談員などがあります。

しゅんた:テレビドラマでやっている科捜研の人たちも公務員ですよね。

川邉:そうです。警察庁の科学警察研究所、各都道府県警の科学捜査研究所に心理職が配置されています。そのほかに、警察関係では少年補導センターや被害者支援室で心理職を採用しています。司法関係では、家庭裁判所調査官、法務省の刑務所や少年鑑別所といった矯正施設の心理技官、保護観察官などもいます。

しゅんた:犯罪心理系に公務員が多いのですか。

川邉:そうですね。定期的に一定数以上の採用をしているのは、非行犯罪に関係する職種ですが、犯罪心理だけでなく臨床心理の知識も必要とする職種が多いです。

しゅんた:犯罪心理学は面白そうですね。「心の闇」をのぞいてみたいです。

川邉:「心の闇」は案外誰にもあるものだと思います。そういう意味で、一般の心理学を広く勉強することが心の闇をのぞくことにつながるといえます。また、犯罪者一人一人の長所や短所を見つけ出して、立ち直り支援につなげていくという仕事も重要な仕事です。

しゅんた:病院のカウンセラーにも憧れます。

川邉:そうですね。東京都の場合は、都の心理職採用試験に合格した者を都立病院に配属する方式を採っていますが、そのように定期的に一定数を採用している地方公共団体はむしろ少なく、公立病院に関しては、欠員ができる都度に不定期に採用している場合が多いと思います。病院関係の採用情報を提供してくれている情報サイトがいくつかありますから、興味のある人はそれを見るといいと思います。

しゅんた:では、まずは、定期的に一定数を採用している試験を目標に準備して、もし、病院の採用があれば、それにもチャレンジするというのが作戦的にはいいですね。

川邉:そうだと思います。

しゅんた:定期的に採用している心理職採用試験にはどのようなものがあるのですか?

川邉:国家公務員採用試験では、総合職採用試験(人間科学)と法務省専門職員採用試験(人間科学)になります。裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補)も国の試験です。都では、都の心理職と警視庁の心理職の試験の2つがあり、また2017年から児童相談所が区単位でも設置できることとなったことから、各特別区でも採用試験を行うようになりました。公務員の採用は、原則として公正・公平な試験により行いますので、どの地方公共団体でも心理職の採用の予定があれば、試験をすることになります。

しゅんた:ありがとうございました。次回は、試験について教えてください。

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