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学部・研究科レポート

2022.11.04

'22 総合型選抜オータムスクール型 講師からのメッセージ

10月8日(土)、総合型選抜オータムスクール型の講義が実施されました。今回は、講義を担当した教員から内容について解説いたします。


今回のオータムスクールは、「裁判所に行かなくても訴訟できる?~民事訴訟のオンライン化~」というテーマで行いました。インターネットショッピングや電子マネー、学校ではオンライン授業など、現在の日本にはオンライン化したものが多くあります。新型コロナウィルスの流行でステイホームが推奨されるようになり、その流れは加速したということができるでしょう。それでは、裁判はどうでしょうか。実は、民事訴訟制度にもIT化の波が訪れています。今回のオータムスクールでは、まず民事訴訟制度がなぜ設けられているのかを検討し、そのうえで民事訴訟へのオンラインの導入が民事訴訟制度全体にどのような効果をもたらすかを学びました。

講義で重要になったのは、主に次の2つです。

1

20221102law_01.png日本をはじめとする近代国家では、「自力救済」が禁止されています。「自力救済」とは、自分の権利が侵害されたときに、司法手続によらずに自分自身の力で侵害を排除することを言います。自力救済が禁止されるのは、力の強い者だけが権利を実現できる社会を私たちがよしとしないからです。 しかし、自力救済を禁止するだけでは、私たちは自身の権利実現のための手立てを失ってしまいます。そこで、近代国家では、国家が市民に代わって権利を実現する方法として民事訴訟制度を整備しました。つまり、自力救済の禁止と民事訴訟制度の存在は表裏一体ということができます。 このことを踏まえたうえで、民事訴訟法は「国家がその権力(司法権)を背景に、強制的かつ終局的に、民事紛争を法的に解決する制度」であるというように説明されます。講義では、①強制的側面、②公権的側面、③法的側面の3つの要素に分けて説明をしました。

2

20221102law_02.png民事訴訟にオンラインが導入されるということは、単に便利になるという点が重要なのではありません。これまで様々な理由で裁判所に赴き、訴訟を提起することを躊躇っていた人や、そもそもどのように自身の侵害された権利を実現すればよいか分からなかった人に対しても、法的な救済の途をひらくことに意義があります。オンラインの活用は、より多くの人が侵害された権利の回復を諦めることなく、司法を通じて実現できるようになることを目指すものです。講義では「司法へのアクセスの強化」という言葉で説明をしました。

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