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学部・研究科レポート

2022.08.19

宮下ゼミで民事模擬裁判を実施しました(1)

法学部助教 宮下摩維子

7月7日(木)、東京弁護士会から6名の弁護士の先生方に御来校いただき、民事の模擬裁判プログラムを実施していただきました。宮下ゼミの他、上河内ゼミも模擬法廷教室で、草地ゼミ、平山ゼミ、饗庭ゼミには、オンラインで各ゼミ室に中継しました。

扱った事件は賃貸建物の明渡請求事件です。パン屋に建物を賃貸していた家主が死亡し、本件不動産を相続した新しい家主は、パン屋に対して建物の明け渡しを求めます。新しく大きな家を建てて住みたい家主と、常連を大切にしつつ、このまま営業を続けたいパン屋の、両者の事情や意見を聞き、双方が納得する和解案を考えるプログラムでした。

前週には事前配布資料をゼミで読み、事案の概要を把握するとともに関連する民事訴訟法の手続き、借地借家法について勉強しました。
当日は、数多くの案件を経験なさった弁護士によるリアルな模擬裁判を拝見し、ゼミ生からの補充尋問の機会もいただきました。その後、グループに分かれて、どのような判決を下すべきか検討しました。経験豊かな先生方の丁寧で的確なアドバイスを受け、学生は普段のゼミでは体験できない得難い経験を積むことができました。当日、ご指導くださった6名の先生方とプログラムを提供してくださった東京弁護士会に厚く御礼申し上げます。

学生からの感想を一部、ご紹介いたします。

民事の模擬裁判プログラムの様子

法学部法律学科3年 塚目祥希

(福島県立須賀川高等学校 卒業)

借地借家法の事前知識をある程度確認したうえで模擬裁判に臨みました。まず、いただいた事前資料を読み、そこに記されている情報、記されていない情報を細かく区分して、この裁判において妥協点を見つけるために必要なことは何か、それを簡単にまとめてから望むようにしました。また今回の模擬裁判は、刑事裁判ではなく民事裁判なので、どちらが善いか悪いかという善と悪で判断するのではなく、双方の伝えたいこと、望むことを正確に判断したいという心構えでした。

実際参加してみて、改めて裁判においては事前準備を綿密に行わなければならないと感じました。主尋問のあとに、私たちが補充尋問をする機会をいただいたのですが、主尋問では明かされなかった事実を指摘・質問すると、当事者の反応や答弁は様々で、判決がひっくり返りそうな発言も出てきました。あえて尋問されるまでは秘匿しておくべき情報もあり、裁判をする際には自分に関する情報はすべて把握、整理したうえで、訴訟戦略を立てるべきなのだなと感じました。


法学部法律学科3年 阿部光希

(埼玉県私立正智深谷高等学校 卒業)

今回の模擬裁判への参加にあたり、事前に事案の概要をしっかり読み込んで、どのように和解案を出したら両者が納得できるかを考えました。実際に裁判に参加し、よい和解案を出すためには、どちらか一方ではなく、両者の立場に立って考えることがとても大切だと学びました。

私のグループは、はじめ、パン屋をどうやって立ち退かせるか考えていましたが、弁護士の先生に様々な助言をいただき、私たちが分からない事や気になったことについて教えていただくことで、よりよい議論ができました。また、裁判の前に見た事案の概要と実際の裁判での主張では感じ方が異なり、法廷ならではの緊張感を感じたことも大きな学びでした。今回は立ち退きの事案であったが、お互いの年収や家族構成、職業など一見すると裁判とは関係なさそうな事柄でも裁判の際に主張の武器になることも勉強になりました。

私は、刑事裁判は見たことはありましたが、民事訴訟を見るのは初めてなので大変興味深く、意欲的に取り組むことができたと思います。民事訴訟はお互いが自分の主張を曲げずぶつかり合う点が刑事裁判と大きく異なり、民事訴訟と刑事裁判の大きな違いについて学ぶことができました。

授業の様子

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