MENU
アクセス
  1. トップ
  2. 学部・研究科レポート
  3. 宮下ゼミで民事模擬裁判を実施しました(1)

学部・研究科レポート

2021.09.06

宮下ゼミで民事模擬裁判を実施しました(1)

法学部助教 宮下 摩維子

7月13日(火)、東京弁護士会から7名の弁護士の先生方に御来校いただき、民事の模擬裁判プログラムを実施していただきました。宮下ゼミの他、上河内ゼミ、草地ゼミ、平山ゼミなどの民法ゼミには、オンラインで各ゼミ室に中継しました。

扱った事件は貸金返還請求事件です。金銭トラブルに巻き込まれて困っている甥にお金を渡した叔母が、後日そのお金の返還を求めますが、甥はその金はもらったものだと主張して返そうとしません。このお金が貸したものなのか、あげたものなのか、裁判の尋問をとおして事実認定を体験するプログラムでした。

前の週には事前配布資料をゼミで読み、事案の概要を把握するとともに関連する民事訴訟法の概念を勉強しました。当日は、数多くの案件を経験なさった弁護士によるリアルな模擬裁判を拝見し、ゼミ生からの補充尋問の機会もいただきました。その後、グループに分かれて、どのような判決を下すべきか検討しました。経験豊かな先生方の丁寧で的確なアドバイスを受け、学生は普段のゼミでは体験できない得難い経験を積むことができました。当日、ご指導くださった7名の先生方とプログラムを提供してくださった東京弁護士会に厚く御礼申し上げます。

学生からの感想を一部、ご紹介いたします。


法学部法律学科3年 大下 綾斗
東京都私立東海大学菅生高等学校 出身

模擬裁判を傍聴するのは初めてだったので、民事模擬裁判のレジュメを読んで事前準備をしました。特に、角谷るい(原告)、井出翔真(被告)の金銭消費貸借契約とはどういう内容なのか、また本件の被告である井出翔真が金銭トラブルに巻き込まれるきっかけとなった連帯保証人の制度とはどんなものなのかなど、自分で調べて理解できる箇所は理解し、調べても分からなかった疑問点をまとめておきました。

実際の模擬裁判では、原告・被告の150万円は貸したものなのか、それともあげたものなのかが一番の争点であることが分かりました。原告である角谷るいさんの請求が認められるためには、金銭の返還合意・金銭の交付が認められなくてはなりません。私たちのグループでは、自分が裁判官の立場に立つことを想定して、時系列表・訴状・当事者目録・答弁書・メール・年賀状などに全てに目をとおし、個人個人の意見を出し合ってグループ内で意見を交換しながら、弁護士の先生からもアドバイスをいただき、グループの意見をまとめていきました。弁護士の先生は、私たちが自分では気づかなかった重要な部分にも指摘してくださり、非の打ち所がないなと感じ、弁護士の方を改めて凄いと思いました。たとえば、証拠として提出されたメールには文中に一行の空白が開けられていましたが、この空白からメールの文が意図することを汲み取ることができます。他にも、年賀状の文面が事件の決め手になるなど、裁判ではそういった小さい部分が勝敗を決めるのだと言うことを実際に学ぶことが出来ました。

202109_mogi_01.png

学部レポート

    PAGE TOP