法学部准教授 竹内健互
今回、1年生の20名の学生とともに、東京都立川市にある立川拘置所に参観に行きました。当日は、はじめに施設紹介ビデオを見た後、施設内を30分ほど案内していただきました。
初めて訪れる刑事施設ということもあって、学生は少し緊張している様子でしたが、最後の質疑応答の時間には、それぞれの目線で感じた細かな疑問について刑務官の方に積極的に質問する学生が多く、とても貴重な経験となったようです。また、学生たちも普段の授業とは一味違って、「法」が執行される現場のリアリティや緊張感を自分の肌で実感することができたのではないでしょうか。以下、参加学生のレポートをご紹介いたします。
法学部法律学科1年 山口大貴
山梨県立都留興譲館高等学校出身
私は、今回の学部デーで立川拘置所を参観しました。拘置所は、普段立ち入ることができず、施設内の構造や受刑者・未決拘禁者の生活を知ることは、法学部で法律を学んでいる身としては大変貴重な経験になるのではないかと考え、参観することを決意しました。
当日は、まず初めに、施設の紹介ビデオを視聴しました。一部敷地を公園として開放するなど周囲の生活環境に溶け込めるような配慮がなされていることを知りました。
その後、拘置所内部を参観しました。ドアは二重構造になっており、一方を閉めないともう一方が閉められなかったり、エレベーター内に仕切りを設けたりするなど、収容者の逃亡防止に細心の注意が払われていたのが印象的でした。また、受刑者が実際に生活している部屋や調理をしている様子などを自分の目で見ることで、厳格な管理の下、多くの人たちが社会復帰に向けて努力しているのだと実感することができました。
最後に、刑務官の方に再犯防止に向けた対策について詳しく教えていただきました。私は刑務所などの矯正施設が就労等の支援を行っていることを知りませんでしたし、就労支援をする動きが始まったのは10年ほど前からだったと伺い、とても驚きました。民間企業による支援も近年増加傾向にあり、再犯防止に向けた対策は着実に進んでいるのだと感じることができました。
今回の参観で感じたことは、拘置所という施設がとても大切なものであり、そのことは法律を学ぶ私たちにとっても例外ではないということです。また、就労等への総合的な支援というものは、拘置所や刑務所などの公的機関だけでは限界があり、民間企業の協力が再犯防止のための大きな手掛かりになるのではないかと感じました。
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