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学部・研究科レポート

2016.02.22

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(5)

法学部教授 黒田基樹

 2月21日(日)に放送された第7話では、上野・信濃二郡(佐久・小県)を管轄していた織田家宿老・滝川一益が、上野・信濃から没落し、真田昌幸が越後上杉景勝に服属するところまでが扱われていました。このなかで注目すべきは、信繁が滝川の人質になって、信濃木曾義昌に引き渡されていたことです。

 史実では、信繁はまだ幼名の「弁」を称していたのですが、木曾に滞在していたことが判明しています。これは共に時代考証を担当している丸島和洋氏が、昨年発見した史実になります。信繁は、祖母(ドラマでは「とり」)とともに、滝川に人質に出され、滝川が木曾を通過する際に、木曾義昌に預けられた、と考えられます。これが信繁に関する、初めて確認できる史実なのです。

 その後、信繁が実際の史料に登場するのは、三年後、今度は上杉氏に人質として出される時となりますが、翌年一月、木曾には祖母しか滞在していなかったらしいので、その間に帰還していたと推測されます。このあたり、ドラマでは上手に信繁を真田に帰還させていますね。

 一つ失敗。真田昌幸が上杉景勝に出仕した際、直江兼続が景勝に「殿」と呼びかけていました。本来は「御屋形様」と呼ぶべきところで、これは台本チェック段階の見落としでした。反省です。ドラマの流れからすれば、どうでもいいことかもしれませんが、時代考証としては呼び方には結構こだわっています。北条氏政を「御隠居様」と呼ばせているのもその一つになります。これから注意しながら視てみると面白いと思います。

 一つ宣伝。昨日、長野県上田市で開催された「大河ドラマ『真田丸』コンサート」に私も解説として参加し、ゲストの長澤まさみさん(「きり」役)とトークしました。その模様は、2月28日(日)午後4時15分~5時28分にNHK総合テレビで放映される予定ですので、是非御覧ください。

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北条氏政居室のセットです

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