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学部・研究科レポート

2016.11.14

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(42)

法学部教授 黒田基樹

 11月13日に放送された第45回は、ついに本作での大きなハイライトの一つ、慶長19年(1614)12月4日の真田丸での戦いが扱われていました。

 合戦シーンは、わずか10数分にすぎなかったのですが、撮影は実は3日もかけた大がかりなものでした。しかもエキストラの数は、両軍合わせて300人が用意され、本作で最も大がかりなシーンになっています。大迫力の合戦シーンを楽しんでいただけたものと思います。

 さて前半のなかで、真田信之が大坂方に兵糧を送ろうとする話が出ていましたね。真田家が信繁に兵糧の支援をしたという疑惑は、実際にあったことでした。大坂夏の陣の後、出奔していた元信之家臣が徳川家康にそのことを訴えたものの、家康は真田家内部で解決するように処理し、信之は当該の元家臣を殺害するという手段に出ています。それとともに、大坂の陣で財政方を取り仕切っていた宿老の宮下藤右衛門を殺害しているのです。ですからこの疑惑は、信之の指示によるものかどうかはわかりませんが、担当宿老を処罰せざるをえないほどの問題になったことがわかります。実際はどうだったのでしょうね。

 真田丸での戦いでは、上杉景勝・直江兼続がみているシーンがありました。そこで景勝が、信繁の戦いぶりについて「日本(ひのもと)一の兵(つわもの)」と掛け声をしていました。これ自体はもちろんドラマ上の作劇になります。しかし信繁が、この後の夏の陣での戦いぶりにより、薩摩島津家でそのように表現されたことは事実でした。ここから信繁を評するものとして、「日本一の兵」という代名詞が生まれているのです。

 ところがそれは、夏の陣での戦いぶりについてのものでした。もちろんその場面でこれを取り上げるという選択肢もあったと思いますが、本作ではこれを冬の陣の戦いぶりに適用し、しかも景勝に言わせる、という作りにしていることになります。ドラマ的には、大変印象深いシーンになっていたのではないか、と思います。

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徳川方が真田丸の堀に突入しようとするシーン。堀の深さがおわかりになるでしょう。

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堀をのぼっているところです。かなり大変そうでした。

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徳川方の仕寄せ。本格的に作られたのは、大河ドラマ初でしょう。


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