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学部・研究科レポート

2016.10.31

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(40)

法学部教授 黒田基樹

 10月30日に放送された第43回は、大坂城での戦略が籠城に決する過程が扱われていました。

 大坂方が徳川方を迎え撃つに際して、信繁が出撃策を提案したが、これが羽柴(豊臣)方首脳によって否定され、籠城策に決した、という今回の話の内容は、江戸時代からみられているものです。「真田丸」では、江戸時代成立の話であれば、基本的に採用の対象とする、としてきましたので、この話を取り上げるのはもちろんアリになります。

 しかしながら、この話が史実であったかどうか、というのは別の話になります。信繁が出撃策を提案したという、確かな記録があるわけではないからです。はっきりしていることは、大坂方では、当初から羽柴(豊臣)家の家老大野治長や、秀頼の後見役であったらしい織田有楽斎の主導のもと、籠城策が採られた、ということです。信繁の出撃策は、話を面白くするために、どうやら江戸時代人が創作したもののようです。

 さてドラマでは、信繁の出撃策を秀頼が採用したにもかかわらず、「御上様」茶々の一声で覆され、籠城策に決した、と描かれていました。もちろんドラマ上の話になりますが、これは、大坂方において、茶々が最高権力者であったことを示しているものになります。そしてそのこと自体は、本当のことでした。

 秀頼は羽柴(豊臣)家の当主でしたが、まだ22歳。しかも戦争経験はありません。そうしたなかで、依然として茶々が、秀吉後室(後家)として、羽柴家の家政を取り仕切っていたのでした。けれども茶々も、決して政治経験が豊富なわけではありませんでした。そうした茶々・秀頼が、どう徳川方に対していくのか。それがドラマでどう描かれていくのか、楽しみにしていただきたいです。

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これは豊臣方の陣幕です。黒と金で彩られ、格好いいですね。

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そして大坂五人衆の冑です。

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