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学部・研究科レポート
2016.06.20
大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(21)
法学部教授 黒田基樹
6月19日(日)に放送された第24回では、ついに最大の戦国大名・小田原北条氏が滅亡し、羽柴(豊臣)秀吉の「天下一統」が遂げられました。
北条氏の当主氏直が秀吉に降伏した際の姿、「墨衣入道」の姿になっていましたね。実際にも氏直はこの姿で降伏したと考えられています。この「墨衣入道」という姿をとることは、当時の「降参の作法」なんですね。頭を剃って出家姿になることで、詫びを入れる態度を示すものになります。現在でも、「頭を剃る」ことは反省する態度の象徴になっていますが、これはそこからきているんですね。
それともう一つ。最後の場面での秀吉のセリフとして、「天下一統」が使われていました。普通は「天下統一」という用語が使われるところで、ドラマでも実はその言葉を使ってきていました。しかし当時は「天下一統」というのが正しいんですね。意味は変わらないのですが、当時は「統一」という言葉は使っていなくて、「一統」といっていました。「天下統一」という言葉は、江戸時代以降の使用になります。そこで今回は、どうせなら正しい言い方を使おうということになり、この「天下一統」の言葉を使いました。秀吉の「日の本」統一を象徴的に示せる効果が出ていたように思います。
今回は、まさに「戦国」から「豊臣」の時代への切り替わりを表現していました。もちろん設定・演出効果によるものですが、北条氏政を、戦国時代を象徴する存在として描いて、徳川・上杉・真田が説得する場面が作られていました。戦国時代の終わりを、大名たちがどう感じていたのか、研究者としても考えさせられた回でした。
おまけ。小田原城のセットでの北条家の陣幕です。
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