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学部・研究科レポート

2016.04.04

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(10)

法学部教授 黒田基樹

 4月3日(日)に放送された第13回は、前編のクライマックスとなる、第1次上田合戦でした。ここで注目しておきたいのは、上杉氏からの援軍の内容です。ドラマでは子供と老人の集団として出てきていましたが、これがなんと元になる史実があるのです。

 上田合戦に徳川方として参加していた大久保忠教が、はるか後年に著した『三河物語』のなかで、上杉氏から真田氏に送られた援軍は、15歳以下、60歳以上のものであったと記しています。この頃、男子の成人年齢は一般的には15歳でした。そして社会から引退するのが60歳でした。

 すなわち15歳から60歳というのが成人男子にあたります。それ以前は子供、それ以後は老人になり、社会人からは除外された存在になります。この時代、あらゆる集団が武装していましたので、この成人男子がそれぞれの集団での兵士にあたります。上杉氏が送ってきた援軍は、成人男子ではなかった、兵士ではなかったということです。

 このシーンは何気なく挿入されていて、見逃しがちになってしまいますが、実はその背景には、戦国社会の実像を示す重要な事柄が存在していたのです。

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