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教員の研究を知る!
医療現場における心理職の実践研究(中村准教授)

2021/01/21教員情報

 心理学部の専任教員である中村 有准教授が、この度、日本精神衛生学会第36回大会においてメルベイユ賞(高い独創性を有する研究発表に贈られる)を受賞されました。中村准教授がどんな研究をされているのか、その一部をご紹介します!

受賞対象となった研究の内容を教えてください

大学病院に勤務する職員の方を対象としたメンタルヘルス活動を報告したものです。本学に着任するまで10年間継続した実践活動をまとめたものなので、私にはある意味「卒業研究」のような研究かもしれません。(笑)
 継続活動の最終期にあたる3年間は、産業精神保健分野の精神科医をアドバイザーに招いて、特に休復職の支援をシステム化する(心身の不調でしばらく仕事を休むとき、どのように休んでどのように復帰するかの方法とルール、各段階で面談・相談する担当者を決めておき、本人や周囲・職場が悩んだり迷ったりしないようにする)ことを試みました。今回の受賞対象となった研究発表は、その部分をまとめたものです。

医療現場での実践的な研究なのですね!この研究のポイントは?

1つ目は「病院の職員相談を専門とする心理職の活動報告」というところにあると思います。心理職の仕事は多岐に渡りますが、産業領域はこれから拡がっていく分野です。その活動を報告したことがポイント(売り)の一つです。
 2つ目は「生物・心理・社会モデル*に沿った支援プログラム」というところにあります。近年、生物・心理・社会モデルが公認心理師・臨床心理士の教育で注目されていますが、それを休復職の各段階に当てはめて支援するという方法をとりました。
 最後が「チーム医療的なシステムの構築」です。主治医・産業医・人事部・直属の上司・心理職で連携を取り、システマチックに休復職の支援を行ってきました。どこから復職できるか、という指標を明確にすることで、休職する人にも、職場にも、今後を見据えたサポートができます。

 まだまだ探索的な状態ですが、これまで行ってきた取り組みを研究として報告したことにより、その効果を感じています。病院の心理職を離れたので今後は実践研究ではなくなりますが、駿河台大学にいる利点を活かして、引き続き研究を進めていこうと思います。


*ある疾患を理解・支援する際に、生物医学的な側面(身体的な問題)だけでなく、心理的側面(ストレスへの対処法、考え方の癖、など)や社会的側面(家族や友人との関係、学校や職場の環境、など本人をとりまくもの)にも目を向けていこうという考え

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受賞されたご感想は?

正直、研究内容について自信がなく、まだまだ検討点があるものと考えており、実はポスターを出すことに抵抗がありました。時間をかけてもっと丁寧に検討・考察して出すべきものと考え、むしろ皆さんから様々なお叱りを受けるのではないかとビクビクしていたくらいです。
 そのような中での受賞なので、私としては「励まされた」気持ちでいます。途中経過のこの研究をもっとブラッシュアップし、一定の見解を提示するように励まして頂いた、そう思っています。
 そして、自分自身で悶々とするより、まずは周りの人から意見をもらい、共に検討する大切さも感じました。学生さんにも、是非、学会で発表することをお勧めしたいです。

最後に、今後の研究への意気込みを聞かせてください!

新型コロナウィルスが蔓延し、医療現場の職員は全員大変な中で仕事をされています。このような世界になる前から、医療現場は非常に過酷で、皆が「戦士」のような状態で孤軍奮闘していました。
 私は身体が強くなく、ずっと医療に支えられてきました。だからでしょうか、私は医療現場が好きです。
 この研究は、休むことも、復職することも、円満にできることを目指しています。戦士のような人たちの正しい休息方法を確立すべく、この研究を引き続き頑張る所存です。

 中村先生、素敵な研究紹介をありがとうございました!



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