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学部長メッセージ

心理学部長 岩熊 史朗

心理学部長
岩熊 史朗

”心理学”への関心の変化

私が大学に入学したころ、日本の大学には「心理学部」というものはなく、文学部の中の「心理学科」、文学部の哲学科の「心理学専攻」があるだけで、専攻する学生数も今とは比べものにならないほどわずかでした。当時、心理学は、社会で役立つものとはあまり考えられておらず、大学に入って心理学を勉強したいと両親に相談すると、就職できないという理由で反対されることもありました。その後、日本の社会でもカウンセラーや臨床心理士が活躍し、その存在が広く知られるようになり、心理学を学ぶ人が増えていくことで、大学に心理学部が作られるようになりました。
皆さんにとっては、心理学を生かした職業というと、まずカウンセラーや臨床心理士が思い浮かぶことが多いかも知れません。もちろん、心理学部を卒業して、カウンセラーや臨床心理士として活躍している人はたくさんいます。その一方で、心理学が社会に役立つ学問として広く認められるようになった結果、心理学部を卒業して、人事、人材開発、教育、広告、マーケティング、データ・サイエンスなど、社会の様々な領域で活躍している人もたくさんいます。

社会問題とともに発展する心理学の世界

心理学の中には、社会の様々な領域の問題に対応するため、応用心理学と呼ばれる研究分野があります。例えば、カウンセラーや臨床心理士と結びついた分野は「臨床心理学」、教育に関連する問題を扱う「教育心理学」、企業や職場での問題を扱う「産業心理学」、犯罪に関わる問題を扱う「犯罪心理学」などがあります。これら以外にもたくさんの応用心理学があり、多様な応用心理学が存在すること自体、心理学が解決すべき問題が社会の様々な領域にあることを示しているとも言えます。
応用心理学を理解していくためには、基礎となる人の心の動きを知ることが重要です。
本学の心理学部では、知覚、記憶、学習、思考などの心の働きについて知る「認知心理学」や「生理心理学」、心の成長や発達を知る「発達心理学」、人間の性格や個性を理解する「パーソナリティ心理学(人格心理学)」、人間関係や社会の中での人間の行動を知る「社会心理学」を基礎として学び、専門性の高い応用心理学に繋げるようカリキュラムを構成しています。

多様な視点から人間や物事を判断できる人材を育成

心理学部は、心の基本的な性質や仕組みから現実の問題を扱う応用心理学までを体系的に学ぶところです。大学の4年間をかけて様々な科目を勉強するにしたがって、人間の心の全体像がだんだんと見えてきます。しかしながら、心理学を4年間勉強したからといって、人間の心が完全に理解できるわけではありません。というのも、心理学は、他の学問に比べると未熟で、今、必死に努力している発展途上の学問だからです。そのため、同じ問題についても様々な考え方があり、心理学者同士が常に熱い議論を戦わせています。
心理学を勉強すれば、たとえ人間を完全に理解できなくても、人間を深く理解するための考え方や姿勢を身に付けることができます。このような考え方や姿勢を備えた人は、先入観に基づいて人間を判断したりしませんし、様々な出来事の原因も簡単に決めつけたりはしません。多様な視点から人間や物事を判断することができます。これから社会問題を解決するために、心理学的な知識や技術が求められる場面が増えていくと予測されます。駿河台大学心理学部は、このような社会で活躍する人材を育成していきます。

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