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「博物館実習」で、美術館見学に行きました

2017/01/06授業風景

 「博物館実習」の授業で、美術館見学に行きました。今年度の引率教員は井上助教。東京都港区にある「国立新美術館」と「21_21 DESIGN SIGHT」という、趣の異なる2つの展示施設を見学しました。見学のポイントは、展覧会の作り手として見学するとしたら、何を見て、何を考えるか、ということです。

国立新美術館

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 国立新美術館は、六本木にある最も近年に開館された国立美術館です。美術館の建築は黒川紀章の設計、ロゴなどのヴィジュアルイメージは佐藤可士和のデザインです。企画展として行われていた「ダリ展」、シュールレアリズムの代表的作家であるサルバドール・ダリの展示を見学しました。

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 大規模な展覧会ですので、広い美術館にどのようにダリの作品が展示されているかが着目されました。展示構成者の意図、展覧会の構成、展示場の設計はもちろんのこと、ダリの作品には小さいサイズの作品も多く、実際の作品を目にした時の大きさ(スケール感)と展示スペースとの関連も、注目ポイントの一つです。また、展覧会を開催するにあたって必要になる印刷物も、見学の対象です。

 展示構成は、制作年順に沿って展示されるという王道のものでしたが、シュールレアリズム以降の作品にも焦点が当てられているように感じました。ポスター、看板、チケット、カタログなどの印刷物は、ダリの作品の世界観を模したものであり、大規模な展覧会ならではのデザインが感じられました。学生からは、年代順の構成や、コーナーごとの区分け、展示品の高さ、照明、導線などに関しての感想が多く聞かれました。来場者が多く、大小のサイズがある展示スペースの設営の難しさなども感じられました。

21_21 DESIGN SIGHT

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 21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト)は、六本木にあるデザイン関連の展示などが行われる施設です。館の建築は安藤忠雄の設計、ロゴマークは佐藤卓のデザインです。企画展として行われていた「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」を見学しました。

 身の回りのデザインされた製品が完成するまでに、素材や味覚、パッケージなどに凝らされた工夫、デザインを「解剖」という観点から理解しようという展示です。シュールレアリズムの作品の展示よりは、一見して理解しやすい内容であり、展示方法もこの企画のために考えられた展示方法であり、展示者の意図を読み取りやすいのではと思います。また、国立新美術館と趣の違う展示施設を見学することも目的です。

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 展示方法は、「写ルンです」や「きのこの山」の巨大模型(半分に切られていて中を見ることができる)があるなど目を引くものでした。また、背が高く幅が細いパネルに、製品に凝らされた工夫やデザインについての解説がテーマごとに記され、手前に置かれた台に、その工夫やデザイン関するキー・ビジュアルや模型が置かれるという、興味深いものでした。学生の感想としては、当初はやはり、見やすい、見づらい(読みやすい、読みづらい)などを主として、来場者目線のものが多く聞かれましたが、展示企画者として考えれば、比較的、個人でも立案できるような展示方法であり、自分の中の展示方法の引き出しであったり、情報を他者に伝える方法のストックが増えるような見方をしてもらえたら嬉しいなと感じました。

 作り手の視点で何かを見る、ということには慣れが必要かもしれませんが、どのようなジャンルであれ、専門性とは何かを考えるのに有効な方法の一つだと考えています。今後も、美術館や博物館に行くときには、少しでも開催者側の意図を考えながら展示を見て欲しいと思いました。



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