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学部・研究科レポート

2020.04.08

心理学研究科にご入学の皆さんへ

駿河台大学大学院 心理学研究科長 川邉 讓

 希望に胸を膨らませて、この春の訪れを待ちわびていたことと思います。

 新型コロナウイルス感染の拡大状況から、入学式を行わず正式の授業開始も遅らせざるを得ない状況となりましたことは、本当に残念です。また、率直に言って、大学院修士課程が2年間と短いことを考えれば、研究及び実習訓練の開始が遅れることは痛手です。しかし、与えられた条件の中で最善策を見つけること、また逆境から何かを学びとろうとすることもまた重要です。

 個別オリエンテーションの際に申し上げたように、新型コロナへの研究的アプローチの入り口は、生物学・心理学・社会学に開かれており、それぞれの入り口を入ってすぐのところにさえ、興味深い研究テーマを見出すことができます。ネット上には、BCGの効果に関する論考、感染リスク要因の洗い出しに資する情報の整理、イタリアにおける感染拡大に関する経済面からの分析、感染者や感染者の家族、さらには医療従事者へのいわれのない差別や疎外に関する情報などが溢れています。表現は適当ではないかもしれませんが、新型コロナウイルスは、普段は覆い隠されがちな人間心理や社会の本質的一面を見せてくれていると言えなくもありません。

 また、新型コロナウイルスの問題は、初期段階における見立てや対応、投資の重要性も教えてくれているように思います。これは、研究と全く同じです。しっかりと基礎資料を集めて、見通しを立ててから動き始めることが、急がば回れの好結果を生むことが多いです。また、無駄と思えるようなことが後々役立つということもよくあります。大型連休明けまでは、仲間と集まって意見交換や討論をすることはできないかもしれませんが、その分、じっくりと多面的に先行研究や関連資料に当たることができると思います。是非、この期間を有効に使ってほしいと思います。

 幸い心理学研究科では、皆さんのご協力を得て、緊急事態宣言の出た7日までに個別オリエンテーションと研究室訪問を終えることができ、13日には研究指導担当教員を発表し、個別の研究指導等を開始できることとなりました。タイムロスはほぼありません。遠隔指導とはなりますが、各教員ともそれぞれ指導体制を整えているところです。皆さんからも積極的に質問するなどしてください。迷惑がられるくらいが丁度いいかもしれません。遠慮は無用です。皆さんのご健闘とご発展を祈っております。

 なお、皆さん、感染症予防に関しては細心の注意を払っていると思います。引き続き、できる感染防止策はしっかり執り続けるようお願いします。

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