学部長メッセージ

法学部長 黒田 基樹

法学部長 黒田 基樹

法学部では、法律学を学びます。しかしながら法律を学ぶということは、現在ある法律を覚えることではありません。「法律は社会の鏡」と言われています。法律を学ぶことは、いま私たちが生き、暮らしている社会そのものを学ぶことでもあるのです。

社会は、多数の人間によって構成されます。そこでは必然的に、社会を成り立たせるルールが必要になってきます。その最も代表的なものが法律です。したがって社会の性格が異なれば、法律も異なってきます。そして社会は、時々刻々と変化しています。そのため法律も、社会の変化に応じて、不断に改定されていきます。法律を学ぶということは、現在ある法律が、どのような理由から制定されたのか、しかし現在の社会状況において、どのような課題が生じているのか、などのことを学ぶことです。それはまさに社会の在り方そのものを学ぶことになるのです。

現代の日本は、「法治国家」という在り方をとっています。これは政府や地方自治体による国民統治が、何事も、法律に基づいて行われることを意味しています。政府や地方自治体の施策が、法律に基づいて行われているのかどうかは、社会が健全に構成されているのかどうかを判断するうえで、決定的に重要です。法律学を学ぶことは、そのように社会を客観的に認識することができることにつながります。

また社会を成り立たせるうえで、私たち一人一人の行動も、法律に基づいた行動が求められます。しかしながら普段、自分の行動がどの法律に基づいたものなのか、意識することはないでしょう。その場合に、なぜこの法律が存在するのか、それはどのような意味を持っているのか、ということを考えることができるようになれば、自分の行動の意味を、明確に認識することができることになるでしょう。そしてそれは、社会で生きていく自分という存在を、客観的に認識することにつながります。法律学を学ぶことは、自分を認識することでもあるのです。

私たちの生活は、何事も法律に基づいているのです。だからこそ法律学を学ぶことは、社会を、自分を客観的に認識することができる、何よりの近道になります。それはみなさんが、これから社会を生きていくうえで、それだけでなくむしろ、みなさんが社会を成り立たせていくうえで、欠かすことのできない、とても有意義なものです。みなさんにはよりよい社会を形成する担い手となって欲しいと願っています。私たちは精一杯、そのお手伝いをしたいと考えています。



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