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第1回歴史探訪報告 「横浜から見る日本の近代化」

2019/10/17授業風景

現代文化学部准教授  長尾 建

 4月20日(土)に実施した、第1回歴史探訪「横浜から見る日本の近代化」について、ご報告します。
 この日は快晴で、少し暑いくらいの陽気でしたが、学生たちはみなとみらい線「日本大通り」駅に集合し、予定通りに探訪の歩を進めました。探訪コースは、横浜三塔から山下公園、港の見える丘公園、そして公園内にある神奈川近代文学館に至る、2時間半ばかりの行程です。この日は天気に恵まれたため、大桟橋やベイブリッジをきれいに臨むことができました。

 大正12(1923)年の関東大震災では、本所被服廠跡の大惨禍などがまず頭に浮かびますが、実は横浜はさらに震源に近く、市(当時)の9割以上の家屋が倒壊、壊滅したと言われています。その中で、全滅に近い今の山下地区で、三つの塔が奇跡的に倒壊を免れました。それが、現在も残る横浜三塔(キングの塔・神奈川県庁、クイーンの塔・横浜税関、ジャックの塔・横浜開港記念会館)です。

20191005gendai_01.jpgジャックの塔

 学生はその堅牢さを誇る三つの塔を見学した後、象の鼻パークに進みました。象の鼻パークは近年整備された、山下地区では比較的新しい臨海公園です。しかし、ここは横浜(日本)が開港されて最も早く桟橋が整備された、近代日本の黎明を告げる記念碑的なトポスなのです。ここには、開国後いち早く日本から海外に絹糸を輸出するために整備された、トロッコの転車台跡が残っています。

 その後、学生たちは山下公園へとやってきました。今や横浜屈指のデートスポットとして名高い山下公園ですが、しかし元を正せば震災の瓦礫によって埋め立てられたという、負の十字架を背負っています。この日は大桟橋に豪華客船が停泊しており、戦前、戦中、戦後と波乱に富む生涯を送った氷川丸との、新旧豪華客船の比較ができました。学生はここで、かつての豪華客船、氷川丸の内部を見て回りました。

20191005gendai_02.jpg氷川丸

20191005gendai_03.jpgベイブリッジ

 さらに、学生たちは、今度は横浜の高級住宅地山手地区のシンボル、港の見える丘公園を目指しました。かなりの高低差があるのですが、そこはエスカレーターでズルをして到着すると、見事なベイブリッジが見えました。その後、公園内の神奈川近代文学館へ。ここが今回の目的地でしたが、企画展は「松本清張展」でした。今や古典とされる清張作品ですが、学生にはその発想、及び方法の、時代を超越した斬新さに気づいて欲しいと思いました。学生たちは約束の時間を優に超える勢いで、ワークシートに記入しながら、ゆっくりと推理小説の巨匠の世界を学んでいました。

20191005gendai_04.jpg神奈川近代文学館

 探訪先はこれで終了でしたが、「せっかく横浜まで来たのだから...」ということで、横浜中華街に案内し、そこで解散しました。有志は、その後中華料理を堪能しました。さらに中華街を探索したいという学生もいるなど、みなそれなりに満足したようなので、教員としては胸をなで下ろしました。

 最後に学生の感想を二、三。
 「横浜探索を行い、横浜三塔、氷川丸、神奈川近代文学館を訪れて感じたことは、歴史とは過去のことだと思っていたが、今も歴史とともに生きていると思い、これからも歴史というものを感じながら生きていくことが大切だということだ。」(A・R 男性)

 「歴史探訪第1回の授業を受けての感想は、関東大震災という大きな災害を乗り越え、あそこまでの発展を遂げたことです。自分たちは、東日本大震災を経験し、まだまだ復興が進んでいません。...横浜が関東大震災から復興できたように、いつか東北に笑顔が戻るようにするためには、今の自分たちには何ができるのかを考え行動していきたいと思います。」(B・H 男性)

 「この度の探訪について、いろいろな考えを思い出して、貴重な体験だと思います。まだまだ体験したい、まだまだ勉強したい、今後の授業も頑張っていきたいと思います。」(留学生 男性)



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