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第1回歴史探訪報告「横浜から見る日本の近代化」

2018/07/18授業風景

現代文化学部 長尾建准教授

 4月21日(土)に行われた、第1回歴史探訪「横浜から見る日本の近代化」について、ご報告いたします。
 この日は快晴で、春香る心地よい風が吹く、探訪には絶好の日和でした。学生はみなとみらい線「日本大通り駅」に集合し、横浜山下地区、山手地区を散策しました。当初2名の遅刻者がいましたが、春の風に誘われるまま?!本隊に追いつき、履修者全員で歴史巡りを楽しみました。
 大正12(1923)年に起こった関東大震災によって、東京中心部が火災で焦土と化したことはよく知られたことですが、さらに震源地に近いここ横浜では家屋の倒壊が相次ぎ、横浜市(当時)の90%が壊滅したことはご存じでしょうか。しかし、その激震に耐えた山下地区の3つの塔(キングの塔・神奈川県庁、クイーンの塔・横浜税関、ジャックの塔・横浜開港記念会館)が、今なお現存しています。下の写真は、ジャックの塔です。

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 学生は3つの塔を見たあと、象の鼻パークに進みました。象の鼻パークは、近年整備された、山下地区では比較的新しい臨海公園ですが、しかし横浜が開港されて最も早く桟橋が整備された、近代日本の黎明を告げる象徴的公園です。
 その後、学生たちは山下公園へと歩を進めました。ここでは、運がよければ、大桟橋に停泊する現代の豪華客船と、公園に停泊している重要文化財、かつての太平洋航路を担っていた戦前の豪華客船・氷川丸を、新旧対照して眺めることができるのですが、この日は残念ながら大桟橋に大型客船は停泊していませんでした。学生は、氷川丸に実際に乗船し、かつての豪華客船のインテリアやエンジンのたくましさを見てまわりました。

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 ついでにご紹介しておくと、ここ山下公園も、今では港横浜のシンボルですが、かつては関東大震災のがれきを埋め立てて作られた公園です。
 さらに、学生たちは山手地区のシンボル・港の見える丘公園へと目指しました。とても厳しい上り坂を愚直に登った者、ズルしてエスカレーターを使った者、等しくその先には美しいベイブリッジが待っていました。そして最後に訪れたのが、今回の一番の目的である神奈川近代文学館です。この日は企画展として、与謝野晶子展が行われていました。与謝野晶子というと、日本近代文学が専門の長尾としては、あるいは学生の食いつきが悪いのではないかと危惧しましたが、それも杞憂に終わり、学生たちは約束した1時間を優に超える勢いで、ワークシートに記入しながら、ゆっくりと日本近代歌人の作品と歴史を学んでいました。

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 探訪先はこれで終わりでしたが、「せっかく横浜まで来たのだから...」ということで、横浜中華街に案内し、遅い昼食をいただき、みな帰途につきました。歩きっぱなしで疲れたようでしたが、解散後も有志が中華街を散策に行くなど、みなそれなりに満足したようなので、教員としてはよかったなと胸をなで下ろしました。

 最後に学生の感想を二、三。
 「(関東大震災の)被害の様子の写真を見て、今の横浜の復興に驚きました。震災直後と復興後は見違えるほどでした。そのシンボルでもある横浜三塔は今でも残り、その周りを再建され新しい横浜だと思えました。東日本大震災もまだまだですが、横浜のように復興していってほしいと思いました。」(R.Y 男性)

 「氷川丸の後に通った旧外国人居留地の周辺からは、日本とは違った雰囲気がして、日本が外国と交流した証のような気がしました。このような場所も日本の近代化に深く関係しているのだろうなと思いました。」(R.T 男性)

 「最後の目的地は中華街。アメリカやフランスの中華街に行ったことがありましたが、日本の中華街に行ったのは初めてです。各国の中華街はもちろん中華風ですが、各自の風格があります。日本の中華街は、他の国と比べて一番違うのは、中国の雰囲気が最も濃いです。中華街にいる時、帰国した錯覚がありました。」(留学生 男性)



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