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フィールドトリップI第3回 上野で見る日本の近代建築

2017/07/25授業風景

現代文化学部 小林将輝 准教授

 建物は、私たちが暮らしたり、イベントを行ったり、物を置いたりするなど、その中で何かをする用途のために使われます。しかし、私たちは、街を歩いていて面白い形をしている建物に出会うと、つい立ち止まって眺め、目を上げた先に見える、美しい高い建物を見て、それを目指して歩いてみようと思うこともあります。このように建物は、眺められる対象でもあると言えるでしょう。
 建物を見るのが好きな人には上野公園はうってつけの場所です。上野公園は日本の近代化以降、戦後に至るまで、様々なモダンでユニークな建物が建てられた場所として知られています。
 6月24日(土)に行われた「フィールドトリップI」の第3回授業は、「上野で見る日本の近代建築」と題し、この上野公園にある建築群を見学しました。

見学コース

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 【東京文化会館】(左)
 ル・コルビュジエの弟子、前川國男によって1961年に建てられた建物で、前に大きくせり出した大庇(ひさし)が特徴的なダイナミックな建物です。
 【国立西洋美術館】(右)
 ル・コルビュジエによって1959年に完成しました。コルビュジェの建築理念、いわゆる「近代建築の五原則」の要素に加え、様々な革新的なアイディアがつまった建物です。2016に世界文化遺産に登録されました。

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 【東京国立博物館】(左)
 渡辺仁の設計案をもとに1937年に完成しました。正面は日本建築風でありながら、鉄筋コンクリート造りで、内装は西洋の美術館のようになっています。
 【黒田記念館】(右)
 黒田清輝の作品を収めた美術研究所。岡田信一郎の設計で、1928年に建てられました。ファサードにはスクラッチタイルが採用されています。

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 【国際子ども図書館】(左)
 帝国図書館として1906年に開館。途中工事が中断し、安藤忠雄がガラス張りの回廊を組み入れ、2002年に児童書の専門資料館として開館しました。
 【東京芸術大学 「STUDY OF BABEL」展・陳列館】(右)
 ちょうど展覧会がやっていたので立ち寄りました。バベルの塔を再現し、デジタル技術で表現した「STUDY OF BABEL」展です。ブリューゲルの描いたバベルの塔を巨大なオブジェで見ることができました。もう一つ、芸大構内では黒田記念館と同じく岡田信一郎の手による「陳列館」(1929年)も見学しました。

 最後に、学生のレポートから2点、紹介します。


 今回のフィールドトリップIでは上野で国立西洋美術館や国際こども図書館など多くの施設の建物に注目して見学しました。国立西洋美術館についてはとても興味深かったです。なぜなら、国立西洋美術館には沢山の工夫がなされていることを知ったからです。
 国立西洋美術館は、20世紀を代表するル・コルビュジエという建築家が日本で唯一建てた建築作品となっています。美術館の入り口はピロティという造りになっています。ピロティとは建物の2階以上にスペースを設けて1階は柱をそのまま残した状態にして吹きさらしにする建築様式で、コルビュジエの提唱した「近代建築の五原則」のひとつです。私は初めてこのスペースをピロティと呼ぶと知りました。意識してみるとこのピロティという造りが多く使われていることに気づきました。そのことからも日本における近代建築運動に多く貢献していることが分かりました。また、私はコルビュジエの「無限発展美術館」という思想に驚きと感動しました。渦巻きに展示室を造っていたり、建物の続きを造れるようにと工夫されていることを知って、建物に興味が湧きました。
 美術館というと絵や彫刻品などの美術品を観に行くとだけ思っていましたが、建物を観るという楽しみ方もあることを今回のフィールドトリップIで知ることができたので、これから建物にも注目しようと思いました。(現代文化学部1年 加藤ひなた)


 今回のフィールドトリップIでは、国立西洋美術館、東京文化会館、東京芸術大学、黒田記念館、国際子ども図書館、東京国立博物館を見学しました。その中でも実際、中に入って見学した、国立西洋美術館と国際子ども図書館についてはとても興味深かったです。国立西洋美術館では、まず外観からピロティ、外壁パネルなどル・コルビュジエのこだわりを感じることができました。内装は明かりや空間の使い方などがとても考えられていて、中に展示されている芸術作品を引き立てていました。スロープはただ登るだけではなく、芸術作品としてあることに驚きました。国立西洋美術館全部が芸術作品であることが見学をしてみて実感できました。
 国際子ども図書館では、1906年から残っている壁を見学して歴史を感じました。当時は正方形に造られる予定だったはずなのに途中までの完成で終わってしまったことを聞いて驚きました。現在は新しく作られている部分もあって、完成したらまた見学に行きたいと思いました。今回のフィールドトリップIを通して、当時から残る建設や工夫された建物を見てとてもいい経験になりました。また、今回のように、建物の中に入って見学してみたいと思いました。(現代文化学部1年 許田雄大)



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