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学部・研究科レポート

2017.04.18

現代文化学部新任教員の自己紹介(2) 

現代文化学部 鵜海未祐子講師

20170418gendai_01.jpg みなさん、はじめまして。今年度より、駿河台大学の現代文化学部に着任しました、鵜海未祐子と申します。主に教職課程の授業を担当します。どうぞよろしくお願いします。

 私の専門は、教育学です。教育政策が、社会や学校における不正義/正義の問題にどのように関わってきているのか、関わるべきなのかについて考えています。北米における人種的、民族的、宗教的、性的、経済的理由にもとづく「抑圧と差別」の事例を対象としてきました。

 具体的に考えているのは、価値観をめぐる不正義(=抑圧)の問題の改善方法です。善悪の判断や何が善き生き方かをめぐり、多様性を最大化できる社会や学校を、教育政策・制度的に創っていくデモクラティックな仕組みとはどのようなものか考えています。

 価値観をめぐる不正義の問題は、必ずしも当事者意識をもつ被害者に限定的な問題として括れないと私は思っています。なかでも社会的な偏見は抑圧の主な原因といえますが、意識的であれ無意識的であれ、誰しもが具体的な日常生活において偏見の目から逃れられないのではないでしょうか。社会には多くの文化的要素が混在していて、価値観は多種多様なので、他者に対しても自分に対しても、手元の価値観は偏見になりえるからです。

 授業では、一見して遠い問題にみえる教育の不正義/正義の事例を、身近な文脈に関連づけて把握する練習をします。そこから1人ひとりが何を感じ考えるのか。意見を交わし偏見を減らすことは、社会の中に自分の個性を活かす地点を見つけ、市民として成長する過程を意味します。異なる価値観が交差する大学は、生涯にわたる自信の種をお互いに蒔くことのできる格好の場所ではないでしょうか。

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