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狭山丘陵巡検報告―フィールドトリップII―

2016/12/05授業風景

現代文化学部 天野宏司教授

 駿河台大学、現代文化学部では「フィールド・スタディ」科目群を設けています。内容は、主に2年次生を対象に学外に出て学ぶというものです。今回はそのうちの一つフィールドトリップIIの活動について長文ですが2人から報告します。

フィールドトリップIIで歩き疲れて

現代文化学部2年 塚野 響

 11月13日に私たちは狭山丘陵に巡検に行きました。狭山丘陵とは日本の関東平野西方、埼玉県と東京都の県境に東西約11km、南北4km、総面積3500haの規模で広がる丘陵です。狭山丘陵は大学のすぐ脇にある阿須丘陵と同じ形成年代にできたもので、南側を多摩川が、北側を入間川が削ってできた丘陵地帯です。

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 雨が降ると地面にしみこみ、そして湧き水となって再び地表に湧き出します。湧き水を溜め池に貯め、農業に利用していたのが菩提樹池です(上部左の写真)。また菩提樹池に貯められた水は稲作にも利用されており、その田んぼを谷津田といいます。菩提樹池に貯められた水は稲作に用いるには少し温度が低いため、溜め池から田んぼへ流れていく流路には、地温や日光により暖められるように工夫がされています。余談ですが駿河台大学の校章に用いられている葉も菩提樹のものです。

 狭山丘陵は埼玉県と東京都の県境にあるため、道を挟んで左の看板の管轄は埼玉県で、右の看板の管轄は東京都の場合があります。このような光景はなかなか見られないので、注意しながら歩いてみるのも面白いと思います。

 狭山丘陵の中には「狭山丘陵いきものふれあいの里センター」という施設があります。この施設は、狭山丘陵の身近な自然とのふれあいを通して、自然の大切さや自然と人との関わりなどを考えるために整備された、所沢市域約1000haの自然のエリアです。いきものふれあいの里センターを中心としたセンターエリアのほか、テーマをもつ5カ所のスポットがあり、東西約13㎞に連絡歩道を道標にしたがってめぐることができます。センター内には生き物たちの標本や、狭山丘陵の模型などがありとても興味深かったです。

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 センターのそばには荒幡富士と呼ばれる富士塚があります。富士塚とは、富士信仰に基づき富士山を模して人工的に造られた人工の山や塚のことを指します。この授業の最初の巡検で、大学そばにある高さ1mほどの小さな富士塚を見ましたが、荒幡富士は約10~15mほどの高さがあり巨大な物です。少し雲が多かったのですが、そこからの眺めはとても綺麗でした。この富士塚は明治時代に建設が始まり、15年かけて完成しました。大正12年の関東大震災では、8合目から上が崩落するなど、今まで何度も存続の危機に見舞われました。しかし、その都度住民が総出で復興にあたり、原形の保存に努めてきました。現在は、地域住民の皆さんが結成した「荒幡富士保存会」により、定期的に大掃除やパトロールなどが実施されています。

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 また、狭山丘陵は「となりのトトロ」のモデルになった土地の一つと言われています。トトロが乗っていた木や、猫バスが渡っていった鉄塔と思われるもの、サツキやメイのお母さんの入院していた病院のモデルと思われるものがたくさんありました。

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 狭山丘陵はゴルフやレジャー施設、住宅建設などの開発が進む土地の一つでした。このような開発から自然を守るためにいくつもの市民団体が力を合わせてトトロのふるさと基金が創設されました。現在トトロの森という名で保護された土地は40にものぼっています。

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 他にも馬を飼育している牧場や、鉄塔の真下に入ることができる場所、将軍塚と呼ばれる塚など様々な場所を回りました。歴史や植物、環境などの話を交えながらの巡検だったので、知らないこともたくさんありました。西武球場前駅から所沢駅まで短くはない距離を歩きました。坂道も多く、決して楽ではありませんでしたが、新しいことを知りながら歩くことは、新鮮なことも多くとても有意義でした。

狭山丘陵巡検-里山の景観と保全活動

現代文化学部2年 富井 寿大

 11月13日に狭山丘陵に巡検に行ってきました。集合場所は西武球場前駅で、この場所から所沢駅まで歩くと伝えられた時は気が遠くなりました。西武球場前までの電車は野球の応援のために作られ、完全に観光のために作られたそうです。歩き始めてすぐに水を貯めている場所がありました。この場所は丘陵部の雨水がたまっている場所で周辺に何箇所もあるそうです。その中の1つの菩提樹池に行く途中には霊園がありました。丘陵部の北側にあるため家を建てる環境には適しておらず霊園となっているようです。

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 菩提樹池は、いつも12月の巡検の際は綺麗な紅葉が見られるそうですが、今回は、11月だったので紅葉が見られず残念でした。この菩提樹池は丘陵から出てきた湧き水を貯めていて、田んぼに使われています。ですが、田んぼで使われる水の適正温度にくらべ、湧き水からなる菩提樹池の水温は少し低いため、水路をクネクネと曲げて太陽の光で温めてから利用されています。しかし、生産量はあまり多くないようです。
 丘陵部は、埼玉県にありますが水道の管理は東京都の水道局が行なっています。なぜ、東京都の水道局が管理しているかと言うと、東京都の多摩湖などに繋がっていて東京都の水源となっているからです。

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 しばらく歩いて赤土の坂を登ると、そこには畑があり、湧き水が届かないところは畑として利用するしかなく、畑の肥料は落ち葉を溜め込んで肥料にしていました。私が歩いていて思ったのは、上り下りが多いということです。非常に坂があり、こんな斜面に家を建てる必要があったのかと思う物件も何軒かありました。
 次に立ち寄ったのが、トトロが飛び降りた木のモデルになったと思われる木です。この周辺は、ジブリ作品の「となりのトトロ」のモデルになったところで、トトロの森というのが30箇所以上あります。本物のトトロには出会えませんでしたが小さい頃よく観ていた、「となりのトトロ」のモデルになったところを歩くのはとてもワクワクしました。この後トトロの森2号地という場所に向かいましたが、ネコバスが歩いていた鉄塔の下に入れる場所があり不思議な感覚でした。

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 「となりのトトロ」に出てくる女の子のメイとサツキのお母さんが入院していた病院のモデルになった病院の近くまで行きました。ここでネコバスではありませんが、可愛い猫に出会うことができました。

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