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- 大河ドラマ「豊臣兄弟!」ワンポイント解説第15回
学部・研究科レポート
駿河台大学法学部教授・黒田基樹
本学法学部の黒田基樹教授は、日本史の中でも戦国史について研究をしており、2026年1月から始まったNHK 大河ドラマ「豊臣兄弟!」の時代考証を担当しています。
時代考証とは、八津弘幸さんが書かれている脚本が出来上がるまでに、史実と脚本に違いがあるかないか、時代感が合っているかどうか、などチェックする仕事です。
第15回は、元亀元年(1570)6月の姉川合戦が取り上げられていました。この合戦だけで、一回分をまるまるあてていました。
前回の「金ケ崎の退き口」のあと、織田信長は京都から岐阜城に帰還し、すぐに浅井家攻めのため、近江北部に進軍しました。そしてドラマでも説明されていたように、苅安城・長比(たけくらべ)城を攻略、浅井家本拠の小谷城の対面に位置した虎御前山(とらごぜやま)に着陣、次いで横山城を攻撃すると、浅井家への援軍として朝倉軍が進軍してきて、朝倉軍は浅井軍と合流、織田軍と朝倉・浅井軍は姉川を挟んで合戦になりました。
合戦で、織田軍に援軍として参加していた徳川軍が、側面攻撃で朝倉軍を崩したことが描かれていました。これは江戸時代に江戸幕府関係の史料に記されていて、これまでも通説として取り上げられてきました。しかし当時の史料では確認されない内容なので、おそらく江戸幕府関係による創作とみなされます。徳川家の功績を持ち上げるために作り出されたのでしょう。
今回のドラマでは、そのように江戸時代に作り出された「通説」が多く基礎になっています。視聴者が抱いているイメージからあまり乖離しないようにしているのです。しかし全くの「通説」通りでもありません。近年の研究成果が巧みに織り込まれていたり、さらには「通説」を巧妙にアレンジした内容になっています。これによって戦国史素人の方も、少し詳しい方にも、ともに楽しめるようになっていると思われます。
また合戦のなかで、浅井家家臣として藤堂高虎が登場していました。姉川合戦は高虎の初陣で、まだ15歳でした。高虎はこれから少しのちに、小一郎の家臣になり、その後は秀長の有力な家老にまでなっていきます。これからどんな活躍がみられるのか、楽しみにしていて下さい。
3月29日に、大和郡山市で、「大河ドラマ「豊臣兄弟!」トークライブin大和郡山 春の陣」が開催されました。藤堂高虎役の佳久創さん、司会の歴史タレント・小栗さくらさんとともに、出演させていただきました。今回は、その時の記念写真を紹介しておきます。