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学部・研究科レポート

2026.02.24

イギリスの青年の失業率の心理社会的背景

日本は貧しくなったと言われますが、こと青年の就職に関しては話はまったく異なり、24歳以下の失業率は先進国の中で最も低い状態です。世界の国々は日本とは何が違うのでしょう。このコラムでは日本と似た水準の経済規模を持つイギリスの青年の失業率の奥にある心理社会的背景を見ていきたいと思います。
2025年10月時点でのイギリスの失業率は5.1%、日本は2.6%ですが、24歳以下の失業率はイギリスは16%、日本は3.9%です。日本もイギリスも若年に失業率が集中する構造は変わりませんが、その水準は大きく異なります。新卒一括採用の概念がないヨーロッパでは珍しく日本と同様に将来性を雇用の判断基準としているイギリスですが、日本と比べて進学率が低く就職を阻害しています。
歴史的に支配者階級と労働者階級との対立があったイギリスでは、「シティズンシップ(citizenship)」と呼ばれる、「権利と義務」を神に誓うという意識が青年の自立を支えてきました。貧しい労働者階級の親ではなく国家が若者の自立に責任を持つ代わりに若者は社会に貢献するという考え方ですね。ところがイギリス政府は経済の悪化に伴い大幅な財政引き締め策を行い、それまで若者の自立を支えてきた国の諸制度を改編して、若者の自立への責任を担うことを放棄してしまい、青年の失業率は大幅に悪化しました。神に誓った約束事でも当てにならないということなのかもしれませんね。

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