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学部・研究科レポート

2025.08.26

ひとり旅のススメ

高校生のみなさんは、旅をしたことがないという人はおそらくいないでしょう。
家族旅行や修学旅行、そして遠足なら、だれでも経験ありますね。
それでは「一人旅」はいかがでしょうか?
「一人旅」ときいて「寂しそう」などと思う人もいるかもしれません。
私は大学で、「観光とアート」「宗教とツーリズム」「異文化間コミュニケーション論」など、外国の文化や観光について授業をもっていますが、ときどき授業が終わった後に、「先生、実はトルコに一人で行ってきました!」とか、「クロアチアに中学生のときから憧れていて、ひとりで2週間ほど旅してきました」などと告白(!?)してくれる学生たちがいます。女子も男子も、です。
私はそういう学生たちの話を聞くのがとても好きで、授業でも発表してもらったりしていますが、外国に行ったどの学生も「とても楽しかった!」「すごく、すご~く勉強になったし、また行きたい!」などと言う人が多く、「ひとりで寂しかった」と言う人は一人もいません。
どういうことでしょうか?
20世紀のユダヤ人哲学者でハンナ・アーレントという人がいます。
彼女はソリチュード(孤独)はロンリネス(孤立)と違う、と言っています。
ロンリネスは、助けが欲しいのに一人ぼっちで心細い状態。いっぽうソリチュードとは、ひとりになることでやっと「自分自身と話す」ことができる状態を指すと彼女は言います。
「自分自身と話す」とはどういうことでしょうか。
それは、両親や学校、友達からも一時的に離れて一人でいることで、自分はどういう人間なのか、将来自分が一体なにをしたいのか、やっと真剣に考えることができる、というものです。そして不思議なことに、旅で出逢う素敵な風景、人々、食べ物、文化が、その心地いい刺激剤になるのです。
みなさんも大学生になったら、外国に旅、それも一人旅をしてみてはいかがでしょうか。
きっとなにか、自分のなかに発見するものがあるでしょう。
学生を数十年前に終えた私は、今でも旅をすることでいろいろ学んでいます。
みなさんの話を聞くのを心から楽しみにしています。
ネパール・ヒマラヤの研究旅行で洞窟住居を調査する筆者
執筆者:経済経営学部准教授 村上 大輔

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