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学部・研究科レポート

2025.05.14

心理学部教員インタビュー(11):山崎 優子 准教授

人気企画「教員インタビュー」では、心理学部専任教員からのメッセージをお届けします。授業中に見せる『教員の顔』とはまた別の、各教員の「研究者の顔」「一個人としての顔」を紹介していきます。
  • 現在の研究テーマ、専門分野を教えてください
    専門分野は犯罪心理学・法心理学です。現在の主な研究テーマは、目撃証言の信頼性です。誤った目撃証言がえん罪の一因になっていることが、複数の研究によって明らかにされています。実験や調査を行うことで、目撃証言の信頼性について心理学の観点から検討しています。
  • これまでにわかってきたことは?
    取調べ官の言動が目撃証言に及ぼす影響は、案外大きいということです。ある事件で問題となった写真識別手続き(目撃者に容疑者を含む複数の写真を提示して、犯人がいるか否かの判断を求める)の適切性を検証する目的で、再現実験を行ったことがあります。実験参加者には、最初に模擬窃盗事件の映像を見てもらいました。続く写真識別手続きでは、取調べ官役の俳優が、写真の提示の仕方やちょっとした言動によって、犯人ではない特定の人物を選ぶよう誘導を行いました。その結果、誘導されたことに気づかないままその人物を犯人として選ぶ実験参加者が、一定数出てくることが分かりました。取調べ官の言動によって、目撃者の判断は無意識のうちに影響を受ける可能性があるといえます。
  • 現在の専門分野を目指した理由、きっかけは何ですか?
    もともと、人の判断の多様さや個人差に興味をもっていたところ、裁判員の有罪無罪判断に関する研究をしてはどうかと指導教員から声をかけていただいたのがきっかけで、いまの専門分野にすすみました。現在はその延長線上で、目撃証言の信頼性について研究していますが、この研究をはじめたのも別の先生に誘っていただいたことがきっかけです。タイミングよく面白い研究テーマに出会えたことが、その都度ターニングポイントになっていたように思います。
  • どんな大学生活を過ごしていましたか?
    私は、大学の通信教育課程で学びました。教科書で自習してレポート課題を提出し、定期試験に合格すると単位が得られました。レポート課題には提出期限がありましたので、24時間開いていた郵便局に夜中の12時前に急いで向かい、提出期限日の消印を押してもらってやっとのことで提出する、ということを繰り返していました。
    夏季には大学キャンパスで開催されるスクーリングに出席しましたが、空調もなく大型の扇風機が2台ほど設置された蒸し暑い大教室で、受講生がひしめきあっていました。今では考えられないほど厳しい環境でしたが、どの先生の授業も熱気を帯びていて、自習したことよりも遥かに記憶に残っています。スクーリングにはさまざまな年代の方が参加されていて、そこでできた友人とは今でも交流があります。
  • 高校生へのメッセージをお願いします
    不思議に思うこと、興味をもったことを温めていると、そのことを追求する機会に巡り合えるかもしれません。何が好きなのか、進路に迷った時は静かに自分の心に問うとよいと思います。答えがでたなら、その進路にすすむための具体的な計画を可視化することをおすすめします。信頼できる人に相談するのもよいでしょう。決定するのは自分ですが、認知バイアスという現象を踏まえれば、自分以外の視点を参考にするのもよいと思います。

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