連日のように闇バイトのニュースを耳にします。若者を闇バイトで犯罪に加担させないために、社会はどうすればよいのでしょうか。

トラビス・ハーシは、「人はなぜ犯罪を犯さないのか？」を問いました。ハーシは、個人と遵法的社会を結ぶ4つの絆――アタッチメント（愛着）、コミットメント（努力・投資）、インボルブメント（多忙・巻き込み）、ビリーフ（規範意識・信念）――が個人を犯罪行為から遠ざけ、「個人と遵法的社会を結ぶ絆が弱められたり、断ち切られたりすると、個人は犯罪に陥る」と考えました。この考えに従うと、例えば、親・友達・地域社会との関係性が良好な人や、努力して積み重ねてきた事柄がある人などは、そうでない人と比べて犯罪を犯す確率が低くなると思われます。犯罪に加担してそうした絆を失わないように、遵法的でない行動が抑制されるからです。

法務省は、犯罪や非行のない明るい地域社会を築く目的で、「社会を明るくする運動」を主催しています。個人と遵法的社会を結ぶ絆を強めることで、若者を犯罪に加担させない効果が期待されます。この活動には、本学の学部生と院生を含むBBS会（Big Brothers and Sisters Movement）も参加しています。