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学部・研究科レポート

心理学部の卒業論文で扱われるテーマはさまざまです。
今回、堀篭優月さんに、卒業論文の内容や作成過程について記事を作成いただきました。
後輩のみなさんにとって、とても参考になる内容だと思います。

堀篭優月(犯罪の心理コース)

私は、「虚偽検出における最適な刺激呈示比率の探索〜眼球運動指標に基づく検討〜」というテーマで卒業論文を作成しました。この研究は、眼球運動指標を用いた虚偽検出検査において、検出率を最大化する視覚刺激の呈示比率を明らかにすることを目的として実施しました。

具体的には、被検査者に、トランプカードと1000円札を利用した模擬窃盗課題でカードを記憶させた後、盗んだカードに関する知識を隠匿させるよう教示した上で、非接触的に眼球運動を測定しました。
この時、裁決刺激(課題にて盗んだカード)と非裁決刺激(課題にて盗まなかったカード)の呈示比率を1:1~1:4の4条件を設け、検出率が最も高い呈示比率を探索しました。

このテーマに決めたきっかけは、3年生の冬、ゼミナール担当の山崎先生から、学部にアイトラッカーが導入されるという話を伺い、法心理学を専攻していた私は、この装置を用いた研究に興味を持ったからです。特に、目撃証言や虚偽自白など、興味のあったテーマとアイトラッカーを組み合わせることで、新たな発見に繋がるのではないかと考え、このテーマを選びました。

論文執筆にあたっては、主に2つの点で苦労しました。

まず1つ目は、アイトラッカーの操作です。私が使用したアイトラッカーは海外製であったため、取扱説明書や分析ソフトウェアがすべて英語で書かれており、専門用語も数多く登場しました。そのため、1つ1つの文を丁寧に読み解きながら、使用方法を習得する必要がありました。

2つ目は、実験の実施です。今回の実験は、複数の条件を設定し、多くの被験者にご協力いただく必要があったため、計画的な準備と実行が求められました。特に、実験スケジュール調整は非常に困難で、知人や先輩後輩だけでなく、先生方の授業にも協力を仰ぎ、なんとか目標を超える104名の方に参加していただくことができました。

これから卒業研究に取り組む方へのアドバイスとしては、計画性を重視することと、先行研究をしっかりと読み込むことが大切です。特に、卒業論文はレポートとは異なり、論理的な文章構成や参考文献の引用方法など、注意すべき点が数多くあります。先輩の論文を参考にしながら、早めに執筆を開始することをおすすめします。

私自身、長期間にわたる卒業論文の作成を通して、研究の計画からデータ分析、そして論文執筆まで、一連の流れを経験することができました。この経験は、今後の人生において大きな糧になると考えています。

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