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学部・研究科レポート

2025.02.11

お金がないと犯罪に走るのか?

貧困と犯罪の関係については、これまで長い間、関心が向けられてきました。日本でも海外でも、犯罪者や非行少年の統計データを見ると収入が低い層が多くを占めていることもあって、貧困が犯罪の要因であるという見方は古くから通説のようになっており、貧困と犯罪の関係を説明する理論も数多く提唱されてきました。このような、お金がないから犯罪を行うという説は、一見、当たり前のことのようにも思えますが、自己報告によるデータでは、経済的状況と犯罪の関係の弱さが示されるなど、これまでの通説には疑問が投げ掛けられるようになっています。

よく考えてみると、犯罪は窃盗などの経済犯だけではありませんし、また、食べる物に困ってお金や食べ物を盗んだりする例はありますが、このように経済的な問題が犯罪の直接的な要因になっていることは実はそれほど多くありません。もし経済的な問題が直接的な要因なのであれば、経済的な問題を抱える多くの人は犯罪に走るはずですが、実際には犯罪を行う人はごく一部しかいません。犯罪者の多くは、経済的な問題以外にも様々な生活上の問題を抱えており、それらの問題が複雑に影響し合った結果、犯罪を行っているため、どのような問題を抱えており、それらがどのように犯罪に影響しているのかを丁寧に見ていく必要があるのです。

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