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学部・研究科レポート

部活動とは何か。あまりに身近すぎて、部活動について深く考えることはないかもしれません。しかし、部活動は常に1つの「問題」として扱われてきました。例えば、顧問と部員、あるいは上級生と下級生の間にある厳しい上下関係は、暴力やハラスメントの温床として長らく批判されてきました。また、最近では先生や生徒への過剰な負担が「ブラック部活動」として問題視され、部活動を学校から地域に移そうとする動きが出てきています。
高校の部活動は、今、大きく変わってきているようです。特に、2012年に起きた「桜宮高校バスケットボール部体罰自殺事件」、また翌年にスポーツ諸団体が発出した「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」の影響は大きく、スポーツの強豪校でも「黙って俺について来い!」といったスポ根的な指導は受け入れられなくなっています。また、そうした競技志向の部活動ではなく健康や楽しさを重視する「ゆる部活」を作ろうとする動きもあり、部活動は「生徒主体」・「アスリートファースト」の方向に進んでいると考えてよいでしょう。
部活動に何の不満もない人、むしろ充実していると感じている人が大多数かもしれません。しかし、部活動の不祥事は後を絶たず、これを氷山の一角と考えるなら、未だ多くの生徒が苦しんでいると言えます。部活動の問題を「自分には関係のない話だ」と考えないでください。「他人事」(ひとごと)ではなく「自分事」(じぶんごと)として考えてみてください。もし目の前に苦しんでいる人がいたら、自分はどう行動すべきなのか。部活動の問題を考えることはあなたの生き方にかかわるのであり、その意味で倫理的な行為とも言えるでしょう。

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