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学部・研究科レポート

皆さん、好きなマンガ作品はありますか? 作品の好みを左右する主な要因として、その筋書きは欠かせませんが、今回はその主流から少し目をずらしてみます。

心理学の「描画テスト」という領域では、絵から描き手の心のありようを紐解こうとしますが、その際に「何を描くか?」(内容面)だけでなく、「どう描くか?」(形式面)にも着目します。なぜならば、一般的に、形式面についてあまり意識して描かれないからこそ、ありのままのその人らしさが垣間見えることがあるからです。

では、プロの描き手(マンガ家)の場合どうでしょうか? 例えば、先日亡くなられた楳図かずお先生は、その精細な筆致も特徴的ですが、マンガの画面構成について、読み手をマンガの「中身」に没入させるため(自分が「マンガを読んでいること」を意識させないよう)、コマ割りの枠にあまり変化をつけず、細かく、テレビの枠のように均等にコマを割っていると話しています。これは、「枠」の描き方という形式面が読み手に影響を与えることを強く意識していることの裏返しともいえます。

皆さんも、マンガの物語に没入した後には、ぜひそれ以外の側面にも目を向けてみてください。きっと新たな発見があるはずです。

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