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- 6月15日オープンキャンパス模擬授業担当教員からのメッセージ
学部・研究科レポート
6月15日(土)はオープンキャンパスでした。午前の部は大学紹介映像上映、キャンパスツアー、個別相談、学生スタッフとのフリートークが実施され、午後の部はそれに加えて入試対策講座や模擬授業が実施されました。ご参加くださった皆様に御礼申し上げます。
経済経営学部の模擬授業は「企業買収と会計基準~「のれん」の「償却」ってなんだろう~」でした。担当した孔炳龍教授からのメッセージを掲載します。
経済経営学部の模擬授業は「企業買収と会計基準~「のれん」の「償却」ってなんだろう~」でした。担当した孔炳龍教授からのメッセージを掲載します。
「企業買収と会計基準~「のれん」の「償却」ってなんだろう~」を担当した孔炳龍教授からのメッセージ
今日、日本においても、企業が他の企業を買収することは、珍しくなくなりました。企業が他の企業を買収するときに、被買収企業の企業価値よりも多く対価を支払った場合、買入「のれん」が生じることがあります。買入のれんには、「償却必要説」と「償却不要説」があります。なお、償却費は、支出を伴わない費用であり、将来のキャッシュ・フローには影響しません。
今日の会計は、相対的真実性であり、絶対的真実性ではありません。会計は、サロゲイト(代理)なのです。償却必要説をとる日本基準であれ、償却不要説をとる国際会計基準であれ、相対的には真実なのです。のれんを償却して費用計上してもしなくても当該企業の価値は、本来変わらないはずなのです。しかしながら、非合理的な経済人は、見た目で判断し、のれんを償却し、償却費を計上した企業を悪く評価する可能性があるのです。そのようなことから、企業買収をする日本企業の多くは、日本基準から国際会計基準に変更していると考えられるのです。この内容は、さらに、企業の経営者の報酬に関わる可能性があります。
今回の講義では話しませんでしたが、会計利益が当該企業の会計を担当している経営者などの報酬と結びついている場合、会計利益を減少すると思われる、のれんを償却する日本基準は、経営者に好まれないでしょう。このような話は、機会がありましたら、次回に話をしたいと思います。
今日の会計は、相対的真実性であり、絶対的真実性ではありません。会計は、サロゲイト(代理)なのです。償却必要説をとる日本基準であれ、償却不要説をとる国際会計基準であれ、相対的には真実なのです。のれんを償却して費用計上してもしなくても当該企業の価値は、本来変わらないはずなのです。しかしながら、非合理的な経済人は、見た目で判断し、のれんを償却し、償却費を計上した企業を悪く評価する可能性があるのです。そのようなことから、企業買収をする日本企業の多くは、日本基準から国際会計基準に変更していると考えられるのです。この内容は、さらに、企業の経営者の報酬に関わる可能性があります。
今回の講義では話しませんでしたが、会計利益が当該企業の会計を担当している経営者などの報酬と結びついている場合、会計利益を減少すると思われる、のれんを償却する日本基準は、経営者に好まれないでしょう。このような話は、機会がありましたら、次回に話をしたいと思います。
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模擬授業を行う孔炳龍教授
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模擬授業「企業買収と会計基準」の様子
また、授業の最後の部分で学生トークとして、孔ゼミの佐島希彩さん(経済経営学部3年 埼玉県立飯能高校出身)が登場し、本学経済経営学部を志望した理由や印象に残っている授業、今取り組んでいる就職活動、参加者へのメッセージなどについて語ってくれました。
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学生トークに登場した経済経営学部3年佐島希彩さん
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経済経営学部教員による個別相談も行われました