鈴木 慶子(現代文化学部教職課程委員)

鈴木 慶子(現代文化学部教職課程委員)

近年学校現場では、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の調和を重視する「生きる力」を育むことが重要になっています。教師は生徒の「生きる力」を育成するために、学校の授業づくりにおいて教材研究が欠かせません。生徒の確かな学力を育むために、基礎・基本を一人一人に確実に身に付けさせることが大切だからです。加えて教師は、生徒が自分で課題を見つけ、自ら学び、考え、行動し、問題を解決する資質や能力など育ませることも強く求められています。

私が大学4年生だった3年前、保健体育科の教育実習生として母校である高校にお世話になりました。授業の経験を積み重ねて周囲の先生方に指導していただいているうちに、教材研究にも時間をかけることができるようになりました。すると、授業の進行もスムーズになっていきました。「できるようになった!」と生徒がはしゃぐ姿は、教材研究をしていなければ見ることができなかったかもしれません。そして特に教材研究を頑張った研究授業を終えた最終日には、お別れの際に生徒たちが涙を流してくれました。その涙を忘れることはないでしょう。

授業の実践は、現場での経験を積み重ねればそれなりに上手になるでしょうが、それだけでは足りません。「教師になること」も大事ですが、教員になってからも「よい授業のつくり方」について考え続けることが理想です。「授業をこなす」教師にならないよう、まずは教職課程において教育や学習指導要領について深く理解しておきましょう。



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