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竹内ゼミで博物館(刑事部門)の見学に行ってきました

2016/05/12 ゼミ活動

 竹内ゼミでは、刑事法に関する理解を深めるため、ゼミ活動の一環として外部施設などを訪問しています。今回は、明治大学博物館(刑事部門)を訪れ、わが国や諸外国における刑罰の歴史について学んできました。参加した学生の感想を紹介いたします。

法学部法律学科4年 割栢凌

福島県立修明高等学校出身

 今回刑事制度の歴史を学ぶため、竹内ゼミで明治大学博物館(刑事部門)に行ってきました。学芸員の方が一つひとつの展示物について詳しく紹介をしてくださったので、それぞれの展示物の背景や歴史上の意義などについてとても勉強になりました。

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 館内には、法令や禁令が書かれた江戸時代の高札、捕縛道具としての刺又(さすまた)や十手、世界の拷問具、処刑具などが解説とともに展示してありました。

 拷問具、処刑具の中でひときわ存在感を放っていたのが、ギロチンと鉄の処女(アイアン・メイデン)でした。ギロチンはご存じかと思いますが、鉄の処女とは、女性の形をした拷問具・処刑具で、中が空洞になっており、内部に無数の針が突き出ています。ギロチンも鉄の処女もその処刑方法を想像するとおぞましい限りですが、明治大学博物館では、こうした人権抑圧の歴史を踏まえ、人権尊重に対する理解を深めてもらおうというのがコンセプトだそうです。

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 さて、展示物の中には、わが国に関するものも多くありました。江戸時代には、10両盗めば死罪と言われており、盗みはとても重い刑で、現代の法と全く違うものでした。殺人も、主人殺しがもっとも重罪で、それに続く重罪は親殺しだということでした。現代の日本の刑法では、死刑は絞首によると決まっていますが、当時の死刑の執行方法は、罪状に応じて何種類かあり、今から見ると残虐極まりない方法も多用されていたようです。

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 私はそもそも死刑にこれだけの種類があったことに驚きましたが、かつては、単に罪人を殺すことだけではなく、その中で罪人をどれだけ苦しめることができるかを重視しているということを学ぶことができました。また、現在の日本では、打ち首や獄門、磔、鋸挽などは認められていませんので、その意味で、死刑の執行方法それ自体は、江戸時代と比べて寛容になったのかもしれません。

 今回の見学により貴重な展示物の数々に接し、明治大学博物館のコンセプトである人権尊重についての理解を深めることができました。今後もゼミでの活動を通じて、刑事制度について一層深く考え続けていきたいと思います。

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