法学部 法学部からのお知らせ

2015年度「学部デー」を実施しました(4)――都市をみる(ベイエリアとお台場を行く)

2016/01/21 学部行事

 法学部では、毎年11月下旬に、主に1年生を対象として、個人ではなかなか見学にいけない学外の機関や施設を見学する「学部デー」を実施しています。今回は、水上バスでの東京見学についてご報告します。

法学部教授 熊田俊郎

 両国からお台場海浜公園まで、水上バスで東京を見るというルートです。隅田川橋梁(きょうりょう)群と呼ばれる美しい橋、関東大震災(大正12年)の復興の跡、幕末の黒船来航への備えのお台場などを見学します。

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 私は東京が好きです。しかし郷里から東京までは遠く、これまで気楽に来ることはできませんでした。大学進学で東京までの距離はぐっと近づいたもののなかなか時間がとれず、どのように歩けばよいかよく知らないこともあって、出かけるきっかけをつかめずにいました。今回はよい機会となりました。

 歩いてみた感想として、東京はとても広く、そして関東大震災や東京大空襲という災害や戦災を乗り越えて今の東京ができていると、あらためて思い知らされました。

 まずはじめに旧安田庭園を見学しました。とても美しい庭園で、東京のど真ん中にこんな庭園があるのかと驚かされました。そこを通り抜けて東京都横網町公園にある東京都慰霊堂へ向かいました。この場所では3万8千人もの人々が関東大震災時に火災で亡くなりました。この数は震災の全死者・不明者数の約4割にのぼるといいます。この施設には、様々な震災、戦災の記録が残っており、その中で一番記憶に残っているのが溶けてくっついてしまった鉄のガレキです。鉄も溶けてしまうくらいですから、もちろん人間も溶けてしまったでしょう。遺骨すら残らず、家族全員が亡くなってしまい身寄りのない遺体、そのような方々の慰霊のためそしてこのような悲劇をくりかえさないという気持ちをこめこの施設がつくられたのでしょう。

 それから水上バスに乗り、隅田川を下りながら東京をながめました。焼け野原に、一度ならず二度もなった東京を、ここまで大きく発展させた先人の努力に感慨を深くしながらの船旅でした。

法学部法律学科1年 後藤広樹
 
福島県私立福島高等学校出身

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