法学部 法学部からのお知らせ

2015年度「学部デー」を実施しました(9)――川越少年刑務所見学

2016/02/20 学部行事

法学部専任講師 竹内健互

 当日は、保護司の方々と一緒に施設内を参観した後、担当者の方から川越少年刑務所の成り立ちや、収容及び処遇の現状等について詳しい説明を受けました。刑の執行の現場を見たのは初めてだったかと思いますので、それまで抱いていたイメージと現実との間に様々なギャップも感じたことでしょう。質疑応答も活発に行われ、学生たちにとって有意義な経験になったのではないかと思います。

20160219law_01.jpg

 川越少年刑務所は「少年刑務所」と言っても、収容されている受刑者の平均年齢は26歳とやや高めです。その理由は、川越少年刑務所の処遇対象者が26歳未満で犯罪傾向の進んでいない刑期10年未満の男子受刑者であり、いわば「青少年刑務所」だからです。しかも20歳未満の少年は十数名しかおらず、そのことも平均年齢を高めているとのことです。

 私たちが実際に刑務所内を参観した際に、受刑者の方々を何度か目にする機会がありました。理髪師の免許を取得するために努力する姿や、工場で真面目に作業に取り組む姿は、とても素晴らしいものでしたが、私たちとすれ違うときに職員の方の号令に従う姿を見ると、やはりここは刑務所であるということを肌で感じ、今でもとても印象深く覚えています。また、1日の食事が想像していたよりもはるかにおいしそうでしたが、部屋はとても狭く、内から開けられないよう内側のドアノブが外されており、様々なところで「刑務所」を感じました。

 担当者の方の説明の中で興味深かったのは、受刑者が犯した犯罪として、窃盗や強盗、性犯罪が多かったことと、最近は詐欺罪で収容される受刑者が増えているという点です。大学生が詐欺に手を染めることも珍しくないようで、同じ大学生としてとても残念に思いました。

 窃盗や性犯罪に限らず、再犯は大きな問題です。再犯防止という大きな課題をクリアすることは容易なことではないと思いますが、今回、実際に刑務所の中を自分の目で見て、その課題を乗り越えようとする人々の姿は、明るい未来への希望のように思えました。未来ある少年、青少年たちがしっかりと更生し、社会復帰することを心から願ってやみません。

法学部法律学科1年 圓山佳穂

新潟県新潟市立万代高等学校出身

20160219law_02.jpg

ページの先頭へ