経済経営学部 経済経営学部からのお知らせ

「ビジネス・ケーススタディ」で特別講師による授業が行われました(株式会社 ベネッセホールディングス)

2016/06/16 その他

 2016年6月6日(月)の3時限、経済経営学部「ビジネス・ケーススタディ(担当:水尾順一教授)」の講義で、株式会社 ベネッセホールディングスの渉外部CSR 推進課担当課長 濱野 克庸氏により、特別講義が行われた。
 教育・生活事業、シニア・介護事業領域で著名な同社の事業を通じた社会課題の解決や直島・瀬戸内での取り組みなどCSR活動を中心に講義していただいた。ステークホルダーを重視した消費者視点からの講義であった。

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濱野課長のテーマは『ベネッセの事業とCSR』で、以下のような骨子で講義が実施された。
1.ベネッセグループの概要
2.ベネッセの理念とCSR
3.ベネッセのCSR・事業を通じた社会課題の解決
4.ベネッセのCSR・財団活動を通じた取り組み

 これらについて熱く語っていただいた。
 ベネッセの理念と、教育・子育てや介護・シニア事業、さらには事業と連携したCSR活動を中心に沢山の写真を活用して具体的に講義いただいた。
 こどもの未来応援プロジェクトやスマイルバスケット、被災地支援など多彩なCSR活動は感動的であった。
 「社会からの要請に対応する取り組み」、「お客さまの声」を反映するしくみ、「安心安全」の取り組みなど、お客さまの満足を常に念頭に置いた活動は消費者教育の実際的な活動を知る上でとても有意義であった。
 最後にお話いただいた直島・瀬戸内での取り組みは、いま人気の芸術・文化の支援活動で、ぜひとも訪問してみたいと感じた。
 受講者の学生は一生懸命にノートを取りながら熱心に受講していた。水尾ゼミの学生は以下のような感想レポートを書いている。

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株式会社ベネッセホールディングス CSR活動特別講義レポート

駿河台大学 経済経営学部 樫村 遼一

 Benesseグループ様(以下、敬称略)のCSRのひとつは『未来を担う子どもたちの学び支援』です。公益財団法人であるベネッセ子ども基金では、病気や経済的困難、災害などで通常の教育が受けられない子ども達への支援をしています。そして、支援というのが資金提供ではなく教育や環境作りをしているところが特徴といえます。
 例えば、防災教育の紙芝居があります。絵にすることによって子どもに興味を持ってもらい、また同時に災害への知識、対策を覚えることができます。これは地域の子どもたちに防災教育ができる環境を与えていることになります。教育のエキスパートであるBenesseであるからこそ、一般企業には実現が難しい"教育機会を増やす"ことができるのだと思います。
 また紙芝居を無償で提供することで保育園や幼稚園もそれを受け入れやすいので、普及しやすいです。単にその場だけ見れば、無償ですが結果として企業のイメージアップに繋がり売上にまで影響が及ぶため、無償で発生したコストを上回る利益を獲得できます。これがCSRというものが現代社会で必須だと言われる所以です。

 もうひとつのCSRは『よい地域づくりの支援』です。こちらは公益財団法人の福武財団を主体に行っています。福武財団は瀬戸内海にある直島を地域づくりの舞台としています。直島は人口が4000にも満たない小さな島ですが、福武財団の取り組みにより毎年およそ40万人以上の観光客がくるほどになっています。その人気は海外雑誌や旅行パンフレットに載るほどです。
 私は地域づくりというキーワードで、緑化運動や被災地支援が思い浮かびますが、文化を生かすというのもあるのだと驚きました。さいたまにはあまり観光地がないですが、このような地域づくりをすれば素晴らしい観光地を作ることもできるのだと思います。

 Benesseの海外事業は現在、東アジアをメインとしています。国によって教育の在り方が違うため、事業進出はなかなか難しいといえます。もし事業範囲を広げるならば、国ごとに全く異なる文化や習慣があるので、それに合う教育内容などを模索し研究する必要があります。
 また、勧誘の方法(投函や電子メール、訪問や電話など)がとても重要であるとも仰っていました。リサーチの上で最も有効な手段を選び実行しているからこそ今の会員数まで順調に成長できているのだろうと思います。そして現在の海外会員数は108万にもなり、巨大な市場を築き上げています。今後も海外会員数は伸びると思います。
 なぜなら大きな市場である中国社会の発展が見込めるからです。今は中~富裕層をターゲットにせざるを得ないと思いますが、成長に伴い貧困層が減り、教育へ割く資金ができると思うからです。

 ところで私は日本の少子高齢化社会から『子供教育』だけでなく、『大人教育』の市場が今後需要を拡大するのではないかと思います。なぜなら、定年を過ぎてから大学へ行く人がいるように教育を希望する大人は少なくありません。
 また、子供からすれば勉強というのは義務であり、苦である人が多いのは間違いないですが、大人がすすんで行う勉強というのは義務ではなく趣味であることが多いためです。なおかつ、高齢者は学校に通うのが身体的に厳しいため、通信教育はまさにピッタリであると言えるからです。
 貴重なお時間をありがとうございました。

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