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学部・研究科レポート

2016.11.28

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(44)

法学部教授 黒田基樹

 11月27日に放送された第47回は、慶長19年(1614)12月18日の両軍の和睦会談の開始から、20日の和議成立、22日の起請文の交換、23日からの徳川方による大坂城の堀の埋め立て開始までが取り上げられていました。

 和睦会談は、実際には18日・19日の両日にわたったようで、茶々の妹・常高院(初)が大坂方の使者を務め、養子京極忠高の陣所で会談が行われました。徳川方からは、本多正純と阿茶局の使者が出されました。ドラマでは、阿茶局が交渉相手で、常高院には茶々の老女・大蔵卿局が付き添っていましたが、ここらあたりは作劇上の都合になります。

 和睦条件のなかに、大坂城の惣堀の埋め立てがありました。これについて江戸時代以来の通説であったのが、約束は惣構えの堀の埋め立てであり、徳川方は文言を拡大解釈して三の丸・二の丸の堀も強引に埋め立てていった、というものでした。ところが近年の研究によって、和睦条件にすべての堀の埋め立てがあったことが確認されました。そのため過去のドラマでは、それを徳川方の謀略として描いていましたが、今回はそのことを踏まえて、明確に和睦条件として位置付けています。

 両軍の和睦交渉は、早い段階から織田有楽斎の働きかけがありましたが、12月8日から、大野治長が参加することで本格化しています。その後、条件の交渉が繰り返されて、先の会談にいたって、条件が確定するのです。ドラマのなかで、国替えや茶々の江戸下向、2ヶ国の加増などが出てきていましたが、それらはそうしたなかで出ていた話になります。

 そうはいっても、史料によって条件の捉え方について相違もあるようです。そのため研究者によって解釈にも違いが出てきています。この部分も含めて、大坂の陣についての研究は、まだまだこれから、といったところが現状のようです。

 信繁の陣羽織です。やはり映えますね。

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