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学部・研究科レポート

2016.11.07

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(41)

法学部教授 黒田基樹

 11月6日に放送された第44回は、ついに大坂城の出城「真田丸」の築造が扱われていました。その他にも今回は、信繁軍の軍装が赤備になったり、徳川軍が大坂に布陣したり、信繁の姉松(村松殿)が信之の伝言を伝えるため、踊り子に紛れて徳川方の真田陣に来たり、信之が小野お通にお悩み相談していたり、大坂城の台所頭・大角与左衛門が登場したり、徳川方の兵士はほとんどが新米で、そのため家康が「仕寄せ」の作り方を指導したり、などなど、様々な話が盛り込まれていました。

 それらの話は、史実をもとにしたものもある一方、創作のものもありますが、創作であったとしても、当時の社会状況を表現するものであったり、その後の歴史展開の布石になっているものもあったりと、いずれも一筋縄にはいかない、かなり手の込んだものになっています。例えば、松の踊り子への扮装ですが、これは戦陣では人の通行が周囲から遮断されていた状況を踏まえたもので、そのようななかで陣中を通行できたのが商人や芸能者であることをもとに、作劇されているのです。

 話の中心は、赤備と真田丸の構築でしょう。このうち真田軍の軍装が赤備であったのは、実際には確実なところで文禄の役までさかのぼります。しかしこれについても拙著『「豊臣大名」真田一族』(洋泉社)で初めて指摘したことでした。真田軍の赤備については、脚本段階ではどの時点でそうするのか検討が重ねられていて、結局は、ドラマ的に最も効果的と考えられて、真田丸構築にあわされることになったのです。

 その真田丸ですが、形状や構築時期については諸説あるのが実状です。ですが現在のところ、構築は信繁が入城する以前から行われていて、最終的に信繁が守備担当になったこと、形状については方形に近いものであった、というのが妥当と考えられています。ドラマでは、前者については、少し時間軸をずらせて作劇上の効果を優先させています。後者についてはその通りに採用しています。

 そして最後のところで、真田丸の全貌が映し出されましたね。ところでこれ、実際のセットは4分の1だけで、あとはすべてCGです。どこまでがセットで、どこからがCGか見分けられましたか。次の写真がセットの全貌です。

20161107law_01.jpg

 そして内部の一部です。

20161107law_02.jpg

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