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学部・研究科レポート

2016.08.22

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(30)

法学部教授 黒田基樹

 8月21日(日)に放送された第33回は、慶長4年(1599)1月21日の事件だけが扱われていました。この日は、前回も少し触れましたが、四大老・五奉行の詰問使が伏見の徳川家康のもとに派遣された日になります。ドラマでは、石田三成が家康を襲撃するという内容になっています。しかしこの日だけで1話分があてられていたことに、私も驚きました。

 実際のところでは、詰問使の派遣によって伏見は騒然となり、家康を支持する大名たちによって徳川屋敷の警固が行われます。家康自身も、江戸から軍勢を上せています。何よりもそこでは、大谷吉継が警固に参加しています。この頃の吉継は、家康支持だったのです。そして何と、吉継との関係から、真田昌幸・信幸・信繁の一族も警固に参加したんですね。そのあたりについては拙著『「豊臣大名」真田一族』(洋泉社)で取り上げました。

 秀吉の死去から関ヶ原合戦までの政治抗争のなかで、真田一族の動向がみられたのは、実はこの時だけでした。ドラマがあえてこの日に焦点をあてているのは、そのためなんですね。そしてそこでは、その後の関ヶ原合戦への布石を見事に置いていましたね。吉継や昌幸が警固に参加するという史実は守りながら、その意味合いについては、ドラマの流れに沿った位置付けを行っていました。ここに三谷さんの凄さを感じました。

 前回あたりから、石田三成の眉間の筋が深くなっていましたね。このことを三成役の山本さんに尋ねたところ、ご自身では意識されてはいなかったようで、「力が入っていたんですかね」と言っていました。

 伏見の真田屋敷の昌幸居室の掛け軸です。といっても、場所がどこであっても昌幸居室には必ず懸けられていますね。

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