MENU
アクセス
  1. トップ
  2. 学部・研究科レポート
  3. 大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(28)

学部・研究科レポート

2016.08.08

大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(28)

法学部教授 黒田基樹

 8月7日(日)に放送された第31回は、慶長3年(1598)8月の、羽柴(豊臣)秀吉の死去が扱われていました。この後は、秀吉死後における徳川家康と石田三成との激しい権力闘争が展開していくことになります。

 今回は、その序章のようなかたちで、秀吉の遺言状の作成をめぐる両者の動きがありましたね。もちろんこれはフィクションですが、実際に残る遺言状から、このようなドラマを創る三谷さんの作劇力の凄さをあらためて感じました。

 秀吉は、死後の政治体制として、「五大老・五奉行制」をとります。ドラマでも扱われていましたね。ただしドラマのなかでは、「五大老」の部分、「老(おとな)衆」と言い換えています。「五大老」の呼称は学術用語としては定着してはいるのですが、「大老」というのは江戸時代の用語で、この時代には相応しくないからです。実際には「五人の衆」と呼ばれていましたが、奉行との違いを出すために「老」と呼ぶことにした、というわけです。

 また出浦昌相が家康暗殺を企てる、という話もありましたが、もちろんこれもフィクションです。実際には、出浦はこれより先の小田原合戦後から、信幸の家老になって、上野沼田領に在国してその統治にあたっています。ところがドラマでは、出浦を昌幸のパートナーに設定していたため、なかなか昌幸から離せなかったんですね。これはある意味で昌幸から離す場面作りでもあったわけです。

 撮影後のエピソードを一つ。出浦昌相はボロボロの格好になっていましたが、出浦役の寺島進さん、信幸役の大泉洋さんに、さかんに「お前のせいだぞ」と言っていたそうです。

 今回のおまけは大坂城大広間に飾られた秀吉の甲冑です。

20160808law_01.jpg

関連リンク

学部レポート

    PAGE TOP